初めは2年後のオジサンさんの定年が早く来ればいいと願っていたが、一緒に訪問を繰り返しているうちに、最近は彼のことがかわいそうに思えてきたという。
すぐにスネる評論家型オジサンも
今、紹介したような無気力なオジサンはむしろ少数派で、大半の中高年社員は、自分では仕事をやっていると思っているし、仕事をしているフリをするのがうまい人もいる。
会議の席上、つねに批判的な立場から課題を指摘してばかりのオジサンのことを嘆いているのは、流通系の若手社員Bさんだ。
55歳で役職定年を迎えたそのオジサンは、かつては出世コースに乗っていたので、全社的な視点からポイントを突いた議論を展開する。しかし自らは決して動こうとはしないので、結局は指摘された課題の分だけBさんたちの余分な仕事が増えることになる。
そのオジサンは、総務担当のBさんに対して「俺はそんな話は聞いていない!」とスネることもある。オジサンはいつも定時に帰るので、スケジュールの連絡などが漏れることがある。Bさんも自分が悪いとは思っているが、Bさんに対する言い方があまりにも上から目線なので、「あなたはいったい何様だ」と感じることがあるという。
ライン長である課長も、彼のことをやっかいだと思っている。ただ課長は、そのオジサンの部下だった時期があるので、いつも遠慮した物言いになっている。そのことがBさんにとっては余計に腹立たしいという。
仕事のフリがうまいオジサンも
オジサンたちが集団で行動しているのが嫌だというのは、あるインフラ系企業に勤める女性社員Cさんだ。
自分たちが忙しく働いているのに、管理部にいるオジサンたちは、11時50分には昼食に出向き、社内に戻るのはいつも1時15分。Cさんは以前、彼らとの昼食に同席したことがあるが、プロ野球の結果か、前日のテレビニュースで報道された話題ばかりで、誰もが知っていることを互いに話して何が面白いのか、不思議でならなかったという。
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