1月は割り切って「正月関連支出」の項目を作り、それに該当する支出はまとめて計算したほうが、来年からの目安になるだろう。そのあとは、平常モードの支出を淡々とつけていく。ちなみに正月関連支出は、ボーナスが出る人ならそっちから計上し、出ない人は来年に向けて「特別支出用貯蓄」を作っておくのがいい。「よし、今年こそ家計簿をつけるぞ!」は1月の給料が出てから始めればいいと思う。
貯まらない人の家計簿は「現実逃避型」
とはいえ、家計簿をつけていれば自然にお金が貯まるようになるかと言えば、それはない。筆者が雑誌編集者時代に貯めている人と貯まらない人の家計簿を見てきた経験では、そのつけ方に大きな違いがある。
貯められない人は、
②「その他支出」に入る金額が多い
③支出も収支も集計していない
という傾向があった。
この3つの根っこは同じところにある。①は、貯めたい・節約したい意識はあるものの、それが現実から乖離している状態、②は、使途をはっきりさせたくない支出、たとえば気晴らしや“自分へのご褒美”に使ったお金を紛れ込ませてある状態、③は、今月は赤字か黒字かはっきりさせたくないという意識。まとめて言うと「現実は直視したくない」心理の表れを示しているわけだ。
逆に貯めている人の家計簿の特徴は明快で、
②月の支出合計だけでなく、週ごとの合計や、予算からそれを引いた残金も書いている
③月末に振り返りのコメントをつけている
貯めていない人とは逆に、現実から目をそらさない仕組みが満載だ。
家計簿をつけるとなぜお金が貯まるのか。それは、自分が使えるお金の範囲で支出を抑えるブレーキになるからだ。ひと月に使える金額を知り、週に使える金額を知り、そしてあといくら使えるかを知っておく。
そのために大事なことは、使ったお金の明細を細かく書くことよりも、「あといくら使えるのか」を意識することにほかならない。使いすぎていると思えば支出を控えるし、お金を出す前に一歩引いて考えるようにもなる。別にそれはケチではなく、持っている金額内でお金を使うという当たり前の認識だ。だからこそ、②のように「あといくら使えるか」を明快に記入するのが肝なのだ。
でも、予算から使ったお金の引き算をやってみると、家計簿上の残金と実際の財布の中身が合わないということがよくある。いわゆる使途不明金だが、それが嫌で残金を書きたくないという人も。だったら簡単で、実際の財布の中身を書くだけでもいい。週末でも、月曜でもいいので、財布にあといくらあるかを週に1度書いておくと、それだけでも十分節約意識が生まれるだろう。
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