「冬ボーナスが消える」貯まらない人のクセ 貯まる人と、貯まらない人の「家計簿」の差

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とはいえ、月の収支をまとめて俯瞰する収支表がついている家計簿はほとんどない。先にも書いたように役割が違うからだ。ムダを見つけたいと思うなら、まずこうした収支表を書いてみて、使いすぎだと感じる費目だけ取り出して、それだけ集中的に家計簿や家計簿アプリに入れて管理するという手もある。それなら、つけ続けるのもそれほど苦ではないだろう。

家計簿以外でムダな出費を見つける方法

貯めたいけれどやっぱり家計簿が苦手というなら、別の方法をお勧めする。自分がよくお金を使っている店や状況を割り出すやり方だ。できればひと月分のレシートを集め、自分がどこで、よくお金を払っているかを割り出そう。家計簿アプリでレシートを撮影している人や、キャッシュレス決済の履歴が残っている人はそれも使える。

よくあるケースは、なんとなく習慣化しているコンビニやカフェでのちょこちょこ出費だ。無意識な出費も、毎日となると、かなりの金額になる。ネット通販のポイント倍増デーに必ず買い物するのが習慣化している人もいるだろう。計画的に買っているならいいが、何か買わないと損だと思っているならムダ出費だ。

自分がよくお金を使っている場所や日にちがわかれば、そこに近づかない(買い物しない)日を作る。寄り道せずまっすぐ家に帰り、スマホに届く「今日はセール!」の通知を消してしまえば、しなくても特に困らない支出を減らせるだろう。

しかし、今話題のコード決済アプリは難題だ。事前にチャージして支払うものもあれば、クレジットカードにひも付けるものもある。オートチャージの場合はますます複雑だ。さらにはひも付けできるカードの海外ブランドが異なる場合もあるので、1枚に集約できないこともある。

カオス状態の今は、支払い履歴がスマホに残ることを利用して、後払いタイプは決済を利用した日に家計簿に記入し、そのつど現金を取り分けておくのが無難ではないだろうか。ポイント還元は魅力だが、相当の上級者でないと家計管理の混乱のもとになりそうだ。オトクというフレーズには落とし穴がある。今は遠巻きにしておくのも手だろう。

松崎 のり子 消費経済ジャーナリスト

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まつざき のりこ / Noriko Matsuzaki

20年以上にわたり『レタスクラブ』『レタスクラブお金の本』『マネープラス』などのマネー記事を取材・編集。家電は買ったことがなく(すべて誕生日にプレゼントしてもらう)、食卓はつねに白いものメイン(モヤシ、ちくわなど)。「貯めるのが好きなわけではない、使うのが嫌いなだけ」というモットーも手伝い、5年間で1000万円の貯蓄をラクラク達成。「節約愛好家 激★やす子」のペンネームで節約アイデアも研究・紹介している。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)、『「3足1000円」の靴下を買う人は一生お金が貯まらない』(講談社)、『定年後でもちゃっかり増えるお金術』(講談社)。
【消費経済リサーチルーム】

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