「能力のピーク」が40代以降に来る人の思考法 「若いほどいい」は思い込みだ

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長期記憶に転送するためには、すでに持っている情報と新しい情報を組み合わせて、重要なものと認識させることが必要になります。たとえば、電話番号を語呂合わせで覚えたりしますが、これはすでに持っている情報と統合しているわけです。

電話番号という単純な情報の記憶について説明しましたが、物事を理解するということもこれと似ています。自分の中にある経験や知識と統合することで理解が進むのです。つまり、経験豊富なアラフォー&アラフィフは、新しい知識と統合できる過去の経験などをたくさん蓄積しているので、若い人より有利な面があるわけです。

余談ですが、今私の娘は受験生なのですが、その受験勉強を見ていると以前より興味を持っている自分に気がつきます。物理や数学など学生の頃はそれほど興味がなかった科目でも、さまざまな経験をしている分、「そういうことだったのか!」と面白く感じるのです。経験が少ないままの受験勉強は苦痛かもしれませんが、これも大人になるといろいろな経験と結び付くのだよ、とあの頃の自分に教えてあげたいと思う今日この頃です。

段階的視点:学びは段階的に質が深まる

学びは一度に起きるわけではなく、段階的に起きます。これをモデル化したものがASAPモデルです。

学びは一度に起きるわけではなく、段階的に起きる(図:筆者作成)

第1段階のAcquireは、覚える段階でここでは短期記憶から長期記憶に転送するために複数の感覚を使ったり、経験したりします。

第2段階のStructureでは、構造化します。自分の中で情報を体系的に整理したり、人に話せるようなストーリーや比喩などにします。

第3段階のAttemptでは、実践し、それを見直すことで試します。

第4段階のPerformでは、本質を理解して応用したり、新しいことを発見します。

ポイントは、学習は段階的に起こるということです。各段階を経て学びの質が深まっていきます。どれかの段階が完了できていないと、次の段階での学びを成功させる可能性は低くなります。

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