多くの方々を指導してきた経験から、学びを自分の仕事で活かせていない方は単に覚えたり、知ったというだけで、自分の中で構造化していないので、「つまり……こういうこと」という整理ができていないのです。知っていること、理解していること、できることには大きな差があります。自分の学びが今どこにあるのか、ASAPモデルで考えてみましょう。
社会的視点:教えることこそが最高の学び
3つ目のデータは、どんなことをすると学んだ内容を体得しやすいかということの調査結果です。音声を聞いたり、本を読んだり、動画や講義などよりも、他者と学習したことを話し合ったり、ほかの人に教えるということで学ぶ内容が最大化しやすいということがわかると思います。
人は社会的な生き物ですから、他者の存在から受ける刺激はとても大きいものです。私は人材開発部門で優秀な社員の方を社内研修の講師としてスカウトしてきましたが、講師をした方から言われたのは、「受講生よりも誰よりも自分がいちばん勉強になった」という言葉です。
人に教えようとするとその何倍も準備が必要です。1時間の講義をするとした場合、単に1時間分の情報や知識を準備すればいいということはありません。これは研究結果から出た数値ではありませんが、講義するならその10倍の語れる内容が必要だと言われていました。自分の中で知っていることを構造化して、いろいろな状況を仮定して話すということはASAPモデルがおのずと深まっていくということになります。
私はリアルな研修や講演以外でも、オンライン学習プラットフォームなどでも講義をさせていただいていますが、生放送中のチャットのやり取りは受講者の皆さんはとても前向きで熱心で感心させられることしきりです。一方通行で講義を受けるだけでなく、自分の言葉でアウトプットし、それに対してフィードバックが得られることでますます学びが深まっていきます。「一人で闇練」を抜け出して学びの仲間を見つけてみましょう。
アラフォー&アラフィフの皆さん、もう自分は学ぶには遅すぎる……などとあきらめないでください。これから学びのピークがやってきます。新しい情報が皆さんのこれまでの経験や知識と統合されることで深い学びになっていくと思います。
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