医学部攻略に不可欠な「効率・戦略・危機管理」 一般の受験常識は、医学部受験の非常識だ

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センター試験を含め、医学部受験には一般の受験とは違うアプローチが必要だ。写真は本文とは関係ありません(写真:YsPhoto/PIXTA)
夏休みが明け、いよいよ受験へ向けて準備を本格化させる重要な時期。医学部に進むべきかどうか、まだ悩んでいる高校生と親御さんを対象に「医学部受験のスペシャリスト」である代々木ゼミナールの加藤広行さんがその心得を解説する。第5回のテーマは「学科試験の実態と対策法」(次回は9月12日配信予定、第4回はこちら)。

前回に続いて「技」の部分にふれていく。大学入試センター試験と各大学の試験に分けて、医学部入試の実態とその対策法を詳しく解説しよう。また、今の高校1年生から受験する新テスト「大学入学共通テスト」についても、主な変更点や対策について説明する。

連載一覧はこちら(今回が第5回です)

第2回で説明した通り、国公立のセンター試験の合格者平均点は得点率で85%~95%位の範囲にある。点数が低めの大学の場合は80%台の合格者が多いということになるが、目標点はあくまでも高めの90%と考えるべきだ。

7科目(私立は各大学の必要科目)合計で90%が目標ということは、文系科目の国語や地歴公民は低めの85%と想定すると、残りの「英語・数学・理科は95%~満点」が現実的となる。意識としては「点数を積み上げる」ではなく、「何点までなら落とせるか」と考えるべきだ。

時間の逆算から考えると、現役生なら2年生の時点で80%取れていれば「希望の持てる通過点」と言える。現役合格を目指すならば、まずはこの目標からクリアしていこう。

センター試験は「知識」プラス「慣れとスピード」

センター試験の対策としては、「知識量を増やす」ことに加え、「形式に対する慣れと解答スピード」が不可欠だ。全体としては「紛らわしい選択肢」に注意すること、そして国語の場合は「出題者の意図を読み取る」ことが極めて重要だ。

「設問の順番にも意図」があるので、それまでの設問の流れを把握した上で一つひとつの問題を解いていこう。また、特に数学などは解答形式にも慣れることで確実に得点してほしい。

そして、「時間配分」も極めて大切な要素である。英語なら後半の大問4問(長文中心で配点も高い)で確実に得点することが求められる。最初の2問(文法など中心)を早めに解いて、後半の4問に十分な時間を確保する必要がある。事前に大問ごとの解答時間を決めておくのが得策で、見直しなどにも5分程度は取っておくことが理想的だ。

直前の問題演習などは、「全て本番通りに」やるのが望ましい。できれば本番と同様に2日間をかけて、実際の実施時間通りに行うのがよい。このことは、スポーツの前日練習を当日の開始時間に合わせて行うなどと同じことだ。

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