医学部攻略に不可欠な「効率・戦略・危機管理」 一般の受験常識は、医学部受験の非常識だ

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大学受験の一般常識は「医学部受験では非常識」である。

たとえば私立文系などは、科目・配点がほぼ一定で基礎を固めれば汎用力もあるが、医学部入試は「そうは問屋が卸さない」世界だ。防衛医科大学校を含めて全国に82校もある医学部を、焦点を絞らずに対策するのは無理があり、できれば片手くらいに早くから絞ることが望ましい。重点的に対策しないと合格は困難、それが「医学部受験の現実」だ。

医学部合格のためには他の何にも増して「戦略(戦いを略す)」が大切で、無駄(無理)なことをしている余裕などは全くない。受験科目には国公立も私立も「定番型」があるが、科目の配点や出題の傾向は「大学ごとに全部違う」と考えるべきである。

受験科目の準備の関係で、国公立を受けるかどうか(センター国語と地歴公民も必須かどうか)は、それこそ早く決めるのが鉄則だ。国公立はなるべく5校以内に絞っておき(90%ならA大学、87%ならB大学、85%ならC大学など)、センター試験の取れた点数で事前に準備していた中から最終決定することを勧める。

急な志望校変更では「時間不足」

国公立と私立2校(昭和大学と東邦大学)併願の例を挙げ、2019年度の日程を見ていこう。

センター試験の実施日は例年流動的であり、来春はセンター試験の実施が遅い年にあたるのだが、国公立前期の試験日は毎年2月25日からと決まっているため、センター試験から国公立の2次試験までの日程が他の年よりも「タイト」となってしまう。

センター試験で目標の点数に届かず、予定していた志望校を受験できないパターンを考えてみよう。1月21日から新たな受験校を探す作業が始まるが、2月6日の出願締切りまでは悩んだり、慌てて願書を取り寄せたり、書類を作成する間に終わってしまう。1月21日から2月6日までの期間に、昭和大学の入試が2つ、東邦大学の入試が1つあり、新たな受験校を探す作業などが私立の直前対策にも少なからず影響するだろう。

他の学部ならセンター試験の後に新たな志望校を見つけても、限られた期間で何とかなる(間に合う)かもしれないが、医学部ではそうはいかない。一分一秒がもったいないのに、悩んだり探したり、募集要項を取り寄せたりに時間を取られるのは避けなければならない。まさしく「時は金なり」なのだ。

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