一例を挙げると、センター試験の英語(筆記とリスニング)は初日の最後に行われる。国公立医学部を志望の場合、初日は地歴公民を1科目、続いて国語を受験し、その後に英語を受ける。英語を受ける頃には疲労度も増しているはずだ。
つまり、「朝イチのフレッシュな状態」で英語の直前練習をしても「意味はない」ということだ。疲労のない状態で高得点が取れても、実際の結果がどうなるかは推して知るべしである。
「共通テスト」と「センター試験」のポイント
現在のセンター試験は、今の高校1年生が受験する年から「共通テスト」に移行する。大きなポイントは次の2点だ。
1点目として、センター試験の解答形式は「択一式」のみであるのに対し、共通テストでは国語と数学に「記述式」が加わる。問題数はそれぞれ小問3問の予定で、数10万人規模の受験生が対象の試験においても「記述式」が加わることは大きな改革である。
2点目として、英語については従来の「読む」「聞く」に加えて、「話す」「書く」の能力も加えた「4技能評価」に転換となる。今の高校1年生~中学1年生までは、大学入試センターが作成する共通テストと、民間が作成する「資格・検定試験」との併存だが、小学6年生以降は民間の試験のみの可能性がある。
共通テスト全体も「思考力・判断力、主体性・多様性等」を意識した出題となり、大学入試は確実に変わる。今後は「思考力・判断力・表現力」などを身につけるための練習・対策が不可欠だ。ただし、共通テストや入試改革の内容・詳細については「不確定要素」も残っているので、文部科学省や大学入試センター、そして各大学の情報発信に注意してほしい。
続いて、センター試験および各大学の学科試験対策について説明しよう。
勝負に勝つには、自分の能力を上げることに加えて、「相手のことをよく知る」ことが大切だ。志望校を絞る段階からだが、まずは「どんな問題が、どれだけ出るか」を把握する必要がある。書店や学校の図書館、予備校や塾の自習室などで「ざっと見る」ことから始めてもよい。
予備校や塾は、「入試問題の分類・分析」や「合格最低点」などの情報提供も行っている。予備校などは、このような手厚いサポートが受けられるところを選ぶのが賢明である。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら