「経済学者はテレビに出るな。霞が関には近づくな」
ある経済学会に出席した折、今は亡き偉大な経済学者が遺した言葉を知った。研究者が研究という本分を忘れ、道を外れることのないようにという戒めであったのだろう。
だが、現在のメディア、特にネット上で発信されるニュースを見ていると、経済学者こそ積極的に表へ出て、情報を発信するべきではないかと思う。中立性や客観性に欠けるメディアがあまりに目立つからだ。
メディアは信頼できるか
近年、インターネットの発展とともに、フェイクニュースと呼ばれるような、真偽の不確かな情報に振り回されている人々を多く目にするようになった。
ネットニュースでは、「事実と異なる」という意味での不確かさだけでなく、個人の体験談や持論にすぎないようなものが過度に一般化して語られる傾向が見受けられる。
さらに、元々の自分の主張に近いようなデータや根拠だけを列挙してその主張を正当化されていたり、相関関係しかないようなものに因果関係があるかのようにミスリードされていたりする「ニュース」もある。
無論、ネット上にも信頼できるニュースはある。が、メディアの問題点をあげると枚挙に暇がないことも事実だ。
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