その方法とは、「総合評価法」です。複数の選択肢を比較検討して決めます。
重要な事柄だと、なぜそれに決めたのか説明がつき、自分や関係者が納得することが求められますね。たとえばプライベートでいくと、自動車といった高価な買い物や、就職先や家族旅行の行き先を決める場合です。
ちなみに、総合評価法は万能ではありません。それなりに時間がかかる検討法ですので、さほど重要でない問題を考えるにはオーバースペックです。
それほど重要なことでない場合には、「これを満たせばOK」という満足する条件を設定し、「満足度重視」で決めるほうが合理的です。「納得度重視」で決める重要事項とは分けて考えるのです。
「満足度重視」パターンは、こだわりがそれほどない日用品の買い物などに適しています。たとえば牛乳や卵などは、近所のスーパーかコンビニで、価格が200円以下だったらよしとするというような満足する基準を決めて、それがあったら悩まずに決めてしまうというものです。たとえその後に自分が選んだものより安いものが見つかったとしても、後悔しないと決めておくわけです。
買い物程度でも比較検討するのは思いのほか時間や労力を使うもの。決断疲れを減らすためにもこだわりがなければ事前に満足度基準を決めておきましょう。
総合評価法の5つのステップ
それでは、今回のテーマである総合評価法について詳しくご説明します。総合評価法は5つのステップで行います。①ロングリスト作成、②ショートリスト(選択肢)作成、③評価軸を決める、④重み付けをする、⑤決定するという5ステップです。
① ロングリスト作成
まず、重要なのは情報を広く集めるということです。いきなり少数の選択肢に絞り込んでしまうのはほかの可能性が見えなくなってしまうので、おすすめできません。しかし、実際には「AとBのどちらにしようかな?」というところから始めてしまう人が多いのが現状ではないでしょうか? コンサルティングやM&Aの世界では、ロングリスト、ショートリストという言い方をします。
まずは公表されている入手しやすい情報から、可能性のあるものを洗い出すのがロングリストです。
ロングリストは数としては10〜20個程度、あまり厳密な条件を設けずに幅広にリストアップします。たとえば、自分が何かを勉強したり資格などを取ったりしたいとした場合に、まずは該当しそうな学校やセミナーなどをWeb検索や専門誌などで洗い出します。通学が必要なものもあれば、オンライン学習がメインのものなどいろいろ出てきますが、まずはどんな可能性があるか全体像がわかる程度の緩さでリストを作ります。
ほかにもっといいものがあるのでは……?と、つい理想を追い求めるグズグズ型の方はロングリストを作ることで全部洗い出したという安心感につながります。
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