評価軸とウェートは自分や組織が何を重要視するのかという「意思」でもあります。総合評価というと客観的かつ正確な答えが出せると勘違いされやすいのですが、意思決定には文字どおり、「意思(Will)=こうしたいという思い」が必要です。ここをしっかりと考えたかどうかが納得感につながります。
リスクを恐れるビクビク型の人は、リスクも評価軸に入れたうえで重み付けを重くしたり、軽くしたりシミュレーションしましょう。リスクは見えないと余計に怖くなるものですので、ここでしっかりとどんなリスクがあるのか、その影響も含めてしっかりと検討しておくことで腹が据わってきます。
⑤決定する
最終的に決めるとなると、捨てきれないアレコレ型の人はどれも捨てがたい……と悩みがちです。このときは、最終決定を二次情報(加工されたデータ)だけに頼らず自分の目で確かめてみてください。
前回の記事でも書きましたが、実際に現場に足を運んだり、体験したりすることで得た一次情報は決め手になることが多く確信につながります。さまざまな情報を基にあれこれとシミュレーションするのも重要ですが、自分が直接得た情報は説得力が強く、自分が納得しやすいのです。
決定までの納得感はとても重要なもの
筆者の経験上、意思決定が苦手な優柔不断な人は、決められるだけの情報を得る手間を惜しんでいることが多いと感じます。情報を集めて洗い出し、多くの可能性から絞り込み、評価軸を決め、重要度で検討し、最終的に納得する確信を自分の足で得る……。この5つのステップのどれかが欠けていては、決めるのが難しいでしょう。
特に影響範囲が大きく、関係者も多くなるような意思決定の場合には、関係者が「それなら妥当だろう」というコンセンサスを得る意味でも、決定までの納得感はとても重要です。
実際にはすべて満足するような選択肢は存在せず、帯に短し襷(たすき)に長しという状態であることが多いものですが、納得のいく検討をしたということで、その選択を正しいものとして実行する覚悟にもつながります。ご紹介したこの方法が皆さまの次の一歩を踏み出すものになることを願っています。
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