クスリの大図鑑 <脂質異常症> 強力スタチンで劇的改善 女性へは使われすぎ?


 スタチンには大きく三つの世代がある。第1世代はメバコールとメバロチン。両者はカビから抽出した抗生物質で、生物製剤といってもよい。その後出てきた第2世代は化学合成によるもの。ローコール(ノバルティスファーマ)などだ。その効果は第1世代より少し上がった。さらに00年以降の第3世代はLDLを下げる効果が飛躍的に高くなり、ストロングスタチンと呼ばれる。

リピトール(米ファイザーが開発、日本ではアステラス製薬が販売)、リバロ(興和が開発し、興和グループと第一三共が販売)、クレストール(塩野義製薬と英アストラゼネカが共同販売)などだ。第2世代まで25~30%だったLDL低下効果が一気に40%程度まで上昇した。

第2世代までのスタチンは肝臓を通ると代謝されてなくなった。が、第3世代は肝臓で代謝されたものがもう一度体の中に吸収されて効果が持続する。このためLDL低下効果が高いと考えられている。

一方、昨年、米シェリング・プラウと独バイエルが発売したゼチーアは、スタチンとは異なり、小腸でのコレステロールの吸収を抑制する(効き方[2])作用で注目を集めている。「スタチンとゼチーアを併用すると、コレステロールを大きく下げることができるとして注目している」と語るのは、脂質異常症に詳しい帝京大学医学部の寺本民生教授だ。

中性脂肪が高すぎる場合も脂質異常症と診断される。この中性脂肪を下げる機能を持つのがフィブラート系(効き方[3])。中性脂肪が合成されるプロセスを阻害し、血中の中性脂肪濃度を低下させる。

ただ、スタチンの登場で治療満足度の高まった脂質異常症薬は、その後、画期的な新薬はなかなか開発されていないのが現状だ。

病気の診断基準などに詳しい大櫛陽一・東海大学医学部教授は「日本ではコレステロール低下薬の3分の2は女性に投与されている。しかし、欧米では女性への使用は極めて少ない」と、日本での使われすぎを指摘する。

確かに閉経前の女性は、ホルモンの効果で心筋梗塞のリスクは低く、コレステロール低下薬は使わないことが原則となっている。ただ閉経後、コレステロール値が高い場合は、治療が必要となる場合もある。それでも70歳を過ぎた女性の脂質異常症の発症率は男性の7割程度。女性が男性の2倍もコレステロール低下薬を投与されている現状は、使われすぎかもしれない。

表とグラフの見方
 表は、疾病別の主要医薬品を2007年度売上金額の上位順にランキング。ただし一部の売上金額と前期比伸び率は本誌推定。また一部は薬価ベースでの売上金額を採用しており、売上高ベースより金額が膨らむ。一方、グラフは、代表的な先発薬と、その後発品とで自己負担額を比較した。後発品薬価は08年4月現在で存在する全品目の平均値で計算。また、実際の支払い時には薬局での調剤報酬等が含まれる場合がある。

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(週刊東洋経済)
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