上司と親は選べない?
職場の人間関係の悩みについて、取材していると「上司と親は選べない」という発言を聞くことがよくあります。さて、どのような意図で語られているのでしょうか?
上司はもっと親と同じように責任をもって部下を育てるべき、と上司の側をいさめる意図で使われることもあるようです。
約20年前のことですが、筆者の職場では若手社員の退職が増加傾向にありました。退職理由では上司との人間関係が多数あげられていました。さらに「上司を替えてほしい」との要望が人事部に多数あがっていた状況でした。
しかし、上司を替えろという要望に応えればいいとはなりません。そんなわがままを聞いていたら、組織は成り立たないと誰もが考えていた時代でした。すると役員が当方を含めた管理職に対して
「部下は上司を選べない。君の指導に部下の人生が懸かっていることを忘れてはいけない」
と会議で発言。この発言を聞いて、上司としての責任を重く受け止めたことを鮮烈に覚えています。
ある意味、とても前向きな意図で使われたのです。でも「上司と親は選べない」は、部下たちの側が、「後ろ向き」な意図で使うケースのほうが多いかもしれません。
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