折れない人が実践する「嫌な妄想」を絶つ方法 TEDでブレイクした人気セラピストが語る

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考え方がどんどん暗くなり、問題解決能力が低下するようなときには…(写真:yacobchuk / PIXTA)
私たちは、ひざをすりむいたらばんそうこうを貼りますし、風邪をひいたら暖かくして寝ます。このように、ケガや体の不調への対処法を自然に身につけ、実践していますが、心の痛みについてはどうでしょう。傷ついたり、悲しい場面に直面したとき、その心をケアする方法を誰も知らないのではないでしょうか――。
そう話すのは、NYの人気セラピストであるガイ・ウィンチです。彼のTEDトーク「感情にも応急手当が必要な理由」は370万回以上視聴され、「2015年で最も人気のトーク」にランクインしました。
このたび日本に上陸した彼の著書『NYの人気セラピストが教える 自分で心を手当てする方法』 には、「孤独」「トラウマ」「罪悪感」「挫折」ほか心の症状ごとに、痛みの程度の判断の仕方と、自分自身でできるケアが、最新のエビデンスとともにまとめられています。その中から、内容をピックアップして紹介します。

「話せばラクになる」は間違いだった

日常生活の中で、ある悩みを何度も思い出してしまう、どうしても嫌な思い出がループしてしまう、ということがあります。

困ったことに、こうして頭にこびりつくのは、悪いできごとにかぎられているようです。上司にほめられた経験よりも、みんなの前で怒鳴りつけられたことのほうが、強烈に頭に残るでしょう。

この、ネガティブな思考のループ(心理学用語で「反芻(はんすう)」といいます)は、心身にさまざまな害をもたらすことが知られています。たとえば、気分が落ち込み、気分転換ができなくなる。アルコール依存や摂食障害の危険が増す。考え方がどんどん暗くなり、問題解決能力が低下する。精神的・肉体的なストレス反応が増加し、心臓や血管の病気になりやすくなる、などです。

こういった悩みに対して、一般に心理療法では「話す」ことが治療になると考えられてきました。カウンセリングに行くと、頭から離れないできごとをもう一度、詳細に話すように言われるでしょう。

ところが、最新の研究によって、そのやり方が逆効果になる可能性がわかってきたのです。脳科学の研究によると、私たちは「思い出す」ことによって、記憶を少しずつ書き換えているそうです。悲しい気持ちで思い出した記憶には、それだけ悲しい色がつきます。ですから、心の痛みが癒えない段階で詳細を思い出すというやり方は、できごとの記憶と心の痛みをセットにして脳に書きこんでいるようなものです。このやり方では、忘れたいのにまた思い出さねばならず、思考のループをむしろ強めてしまいます。

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