「努力が空回りしている人」の残念すぎる思考 「手段」と「目的」が入れ替わっていませんか
真面目で努力家、毎日遅くまで残業をこなし、休日出勤もいとわない。なのに結果に結び付かず、努力が空回り――。あなたの周りにこういう人はいないでしょうか。もしかしたらあなた自身がそうかもしれません。『「やりすぎ」をやめれば全部うまくいく』の著者で、精神科医の西脇俊二氏がそのメカニズムを解説します。
人が何かを頑張るとき、そこには必ず「目的」が存在します。ところが、それを達成するため頑張っているうちに、目的がどんどん離れていってしまうことがあります。それは目的を達成するための「手段」がいつしか「目的化」してしまうことです。
たとえば「スキルアップをしたい」という目的のためにセミナーや勉強会へと参加して勉強しているうちに、仕事を適当に切り上げて勉強にいそしんだり、自分のキャリアとは関係ないセミナーや勉強会に参加したりすることそのものに熱心になってしまうようなケースです。
使えない人脈づくりに奔走
社会保険労務士のTさんは、仕事の幅を広げるために人脈を作ろうと、異業種交流会や勉強会などに積極的に参加しています。各地の商工会が主催する交流会や英会話の自主勉強会、朝活など、新たな出会いのありそうな場にはスケジュールの都合がつく限り、顔を出してきました。
毎月、何百枚も名刺が集まり、名刺整理だけで大仕事だとか。業種ごと、会社ごとに仕分けし、50音順に並べ替え、きれいにファイリングします。交流会は金曜夜に開催されることが多く、週末は大量の名刺整理に追われます。FacebookやTwitterをやっている人には友達申請や相互フォローをし、メッセージのやり取りもします。Facebookの友だちは2000人以上。誰かが投稿すれば、すかさず「いいね!」をし、気の利いたコメントを入れる。それだけでも大変です。
ただ、「SNSでは親しくやり取りできていても、なぜか仕事につながらないんです」とTさんはため息をこぼします。新規のクライアントも仕事のアウトソース先も、結局はこれまで長く付き合ってきた馴染みの顧客から紹介してもらうというのが、もっぱらのパターンのようです。
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