仕事のできない人はPDCAがわかっていない トヨタで学んだ男が説くカイゼン術の超基本

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この本質を理解できていますか?(写真:sardine / PIXTA)

「たいへん申し訳ありませんでした――」

大企業の経営陣が深々と頭を下げて、謝罪をする。そんな記者会見の映像を、すっかり見慣れた方も多いのではないでしょうか。

記憶に新しい東芝の不正会計を筆頭に、大企業の不祥事が続いた2015年。海外に目を向けても、昨年上半期に販売台数世界1位に躍り出たフォルクスワーゲン(VW)が排ガス不正問題を起こし、日本でも大きなニュースとなりました。昨年11月には、数珠つなぎ的にVW傘下のアウディやポルシェなどでも不正が発覚。販売台数も株価も落ち込んで、ついにはトヨタ自動車が世界販売台数のトップに返り咲きました。

なぜ、こんなにも頻繁に企業の不祥事が起きているのでしょうか?

2011年3月の東日本大震災。大津波と原発事故の衝撃的な画像を覚えている方も多いと思います。当時、自然現象の「天災」と人が起こした「人災」という言葉を何度も目にしました。散々言われてきたことではありますが、「人災」は「人が起こすミス」ですから、防ぎうるものなのです。そして、企業の不祥事も個人の仕事上でのミスも、大小の差こそあれ、同じ「人災」といえます。

ミスを防げないのは「あること」ができていないから

筆者はかつて神奈川トヨタ自動車に勤めていました。世界トップの自動車メーカーであるトヨタ系の販売会社で自動車整備士(メカニック)の仕事をしていたのですが、トヨタグループの現場にまで浸透していた「あること」をたたき込まれたおかげで、社内の「技能オリンピック」で最年少優勝を獲得、「アイデアツールコンテスト」でも2年連続で全国大会に出場することができました。退職後も、PCサポートを担当したデルで5年連続の「顧客満足度ナンバーワン」を獲得し、現在ではみずからが立ち上げた会社を経営しています。

筆者がたたき込まれたのは「PDCAサイクル」です。トヨタの底力は、「現場にあり」と言われていますが、その力の源は、現場の人間が「意識してPDCAを回しているから生まれる」といっても過言ではないはずです。

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