有料会員登録 東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #マネー潮流

長期金利上昇の主因は日銀の後手でも財政悪化懸念でもない、株高とも整合し「骨太ショック」での金利上昇は誇張

5分で読める 有料会員限定
高市政権の「骨太の方針」で長期金利が大幅上昇したという見方が広がった (写真:時事)
  • 阿部 健児 大和証券 チーフストラテジスト

INDEX

高市早苗政権は7月21日に「骨太の方針」を閣議決定した。その1カ月前の6月半ばから、同方針に盛り込まれている2040年度までの累計370兆円超の官民投資計画や日本銀行の金融政策・財政健全化スタンスに関する報道が増加した。

骨太ショックは本当か?

長期金利は6月19日の2.67%から7月9日には2.89%まで22ベーシスポイント(bp)上昇。「骨太ショック」で長期金利が大幅に上昇したと言われるようになった。

専門家が日本や世界のマーケットの現状と先行きを鋭く分析。【水曜日更新】

その理由として大きく2つが挙げられている。1つ目が、日銀の対応が後手に回るビハインド・ザ・カーブ懸念だ。高市政権は日銀による利上げを牽制。その結果、利上げが遅れ、日銀が目標とする2%を上回るインフレ率が定着するとの見方が強まる。最終的に長期期待インフレ率の上昇が長期金利の上昇をもたらすというものだ。

2つ目が、日本の財政悪化懸念だ。高市政権が官民投資計画を公表した際に、内閣府が作成した資料では、1年当たり10兆円の財政支援が想定されていた。防衛予算の増加、食料品消費税率引き下げ、金利上昇に伴う利払い費の増加などに、投資への財政支援が加わると、日本の財政悪化懸念が強まる。そして国債利回りに財政リスクプレミアムが求められ長期金利が上昇するという流れだ。

筆者も日銀がビハインド・ザ・カーブに陥ったり日本の財政が悪化したりするリスクは懸念している。だが、6月中旬から7月上旬にかけての長期金利上昇に関しては、この2つの影響は大きくなかったとみている。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数