他人を動かせない人が繰り出す「ダメな質問」 相手のインセンティブを知ったほうがいい
心理学者のアルフレッド・アドラーは 「結局のところ、われわれには対人関係以外の問題はないように見える」と言っています。
皆さんの仕事においても、対人関係の問題を抱えてはいないでしょうか。上司が理不尽な指示を出してくる。部下が思うように動いてくれない。自分の考えが周囲にわかってもらえない。取引先とのコミュニケーションがうまくいかない。顧客やユーザーからの要望にうまく応えられない……。
アドラーが言うように、仕事の悩みもそのまま人間関係の悩みと言い換えてもいいぐらいですね。
私はマッキンゼーでの仕事のなかで「問い」の大切さを学びましたが、その後、エグゼクティブ・コーチングの仕事をするなかでも、“仕事の悩みも「問い」を立てることでコントロール可能なものに変えられる”と考えるようになりました。
つまり、「問い」は「人に動いてもらう」ためにも大きなツールになりうるのです。身近に使えるものを例に、紹介していきましょう。
「どうしてやってくれないの?」と言ってはいけない
たとえば、誰かに仕事を依頼したとしましょう。その人が、自分の思ったやり方で仕事をしてくれなかったとき、あなたは何と言うでしょうか?
A:「どうしてやってくれないの?」
B:「なぜ、そうしたの?」
人を動かす問いで大事なのは、「自分がジャッジしない」ということです。自分が頼んだことを相手がきちんとやってくれなかったときに「どうして、やってくれないの?」と問うのは、その根底で「あなたがやったのは悪いこと」と相手に対してジャッジしてしまっている、ということになります。
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