そんなネガティブな意味で発言する部下たちを取材する機会がありました。まずは人材系企業に勤務しているSさん。Sさんの考える「理想の上司」は、寡黙ながら行動で示してくれる人。そんな上司なら、素直に付き従っていけると思っているようです。ところが、現在の上司はその対極で、口うるさく指導をしてくるタイプ。そのマネジメントスタイルをいつも、耐えがたいと感じているようで、
「今の上司と話すたびに胃が痛くなる感じがあります。でも、人事に上司を替えてくれとは口が避けても言えません。親と上司は選べないものですから」
とネガティブな発言。相当なストレスを感じているようで、あと1年以上、上司が替わらないのであれば、転職も考えなければ……とまで覚悟している様子でした。
でも、上司を替えてくれと、社内で要望を出せる会社ではありません。なので、Sさんにできるのは、社内的な人事異動で偶然に替わることを願うことくらい。
隣の芝生が青く見えてきて……
あるいは製造業に勤務しているBさん。理不尽な上司にストレスをためる毎日を過ごしています。指示を受けて行った作業の報告をしたにもかかわらず「そんな指示をしたつもりはない」と頻繁にしかられるので、今の上司から逃れたいと願うことがよくあるとのこと。ところが、隣の部署の上司は「納得できたかな?」などと丁寧にコミュニケーションを取りながらマネジメントしているようで、部下たちが生き生きと働いているように見えます。こうなると、いまの上司と隣の部署の上司を替えてほしいと、隣の芝生が青く見えてきてしまいます。しかし現実問題としては、
「上司は選べないから、仕方ない。現状に耐えるしかない」
とあきらめるしかないのが実情。同じように上司を選べないことをネガティブに語る部下は本当に多いようです。なおマイナビの調査によると、上司に不満を持ったことはあるのが約9割。その理由は
・部下の話を聞かない
・手柄を独り占めする
など理由はさまざま。さまざまな不満が鬱積しているようです。
それにしても、本当に上司は選べないでしょうか? みなさんの会社では、同じ職場でどれくらい同じ上司が続くものですか?
当方が前職リクルート社に勤務していたときは1年半くらいのペースで上司は替わったものでした。これはおそらく、世間的には短い期間でしょう。当方が取材して、同じ上司の下で働く期間を聞いてみると3年くらいが平均のようです(なかには10年以上も同じ上司という方もいましたが)。
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