(第9回)新卒技術職・研究職の深刻な「採用」氷河期の到来

(第9回)新卒技術職・研究職の深刻な「採用」氷河期の到来

福井信英

 新卒技術職・研究職の深刻な「採用」氷河期が到来したようだ。

 採用コンサルタントとして、私が企業から受ける相談の3分の1は「機電系の学生を採用したいんですけど…」というものだ。ほんの5、6年前までは考えられなかった事態だが、現在の日本企業がおかれているビジネス環境を考えれば当然のこととも思う。

 私が相談に乗ってきた企業の人材採用にかけるコストの中央値は、文系総合職・事務職であれば、65~80万円/人という水準だ。それに対して、技術職・研究職は120万円程度まで跳ね上がる。

 お金と時間をかけなければ、優秀な理系学生を採れなくなっている。それが現在の採用市場の現状のようだ。理系学生の採用にお金と時間をかけることは間違っていないが、技術職や研究職が居心地良く誇りを持って働ける環境を作ることにこそ、採用活動以上にお金と時間を使うべきだ。


 市場において、需要と供給のギャップは「神の見えざる手」によって調整される。

(1)理系人材に対する需要量が供給量を超過
(2)理系人材が就職に有利になることで、理系を選択する学生が増加
(3)需要と供給のギャップが解消

 単純に上記のようなプロセスで、需給のギャップが調整されればいいのだが、そうはならない。

 その気になれば、どこでも就職できるようになったこの時代、就職に有利なだけでは学生は理系を選択しない。有利になる就職先が魅力的かどうかが重要なのだ。今の「採用」氷河期は、根本的には技術職・研究職として就職することの魅力が相対的に低下していることから生じている。
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