一瞬で相手が喜ぶ!中山秀征の「話の振り方」

エピソードを引き出す極意とは?

中山:そう。別に今日の収録と関係なくても、ワイドショーを見ながら、「不倫をどう思います?」「築地市場の移転についてどう思います?」なんて雑談をする。その過程で、その人の考えというものを感じることができる。いっけんくだらない雑談の中にこそ、その人の「素」が出るんです。

三枝:「実家が魚屋でね」とか、知らないことが出てきたりする。

中山:不思議なもので、その日に収穫したものがすべて収録に使えたりする。

ひとつ聞けたら儲けもの

三枝:中山さんの「引き出し術」を改めて知りました。スタジオでのトークでは、また違う緊張感があると思いますが、どこか違いがありますか?

中山:生放送のときのゲストならば、いくつかのキーワードを用意します。その中の2つは聞こうかなと考えますが、全部は消化しません。ひとつ聞けたら儲けものくらいで欲張らない。

三枝:休息中はどうしていますか? さんまさんは、収録中もその前後も、同じテンションを維持されていますが、中山さんもそれに近い?

中山:さんまさんにはかないませんが、僕も比較的そうですね。

三枝:ほかに意識していることはありますか?

中山:ゲストで来た人が「今日1日、来てよかったな、この番組に出てよかったな」と思って帰ってもらいたいと思っています。僕の番組に5人パネラーがいたとしたら、5人とも活きてほしいんです。

三枝:とはいえ、全員を活かし切るのはなかなか大変です。会社の中間管理職は、それで悩んでいると言っていいかもしれない。

中山:捨てられないんです。厳しいMCなら、早々に切り捨ててしまうかもしれません。でも、僕はもう1回チャンスを与えたいと思ってしまう。だから、いつも収録が30分くらい押してしまうんです。基本的には番組が成立する絵が撮れたからオッケーなんだけど、このゲストのいいコメントは撮れていないなあというのが気になってしまう。

三枝:一緒に出ているゲストはみんな、あるところまで引き上げたいという意識なのでしょうか?

中山:テレビに出始めたときに、ぜんぜんダメなコメントしかできなくても、時折チャンスをくれた紳助さんとか、上岡さんとか、見捨てないで活かしてもらったことがうれしくて、その感覚を忘れられないんだと思います。

三枝:いまの若手にも、同じような思いを持ってもらいたいという、優しさですね。

中山:「何とかしたい」という思いで構えているゲストがいるんじゃないかと思ってしまうんです。今の番組は、そんなことを考えなくていいのかもしれませんが、僕はその流儀を貫きたいんです。

三枝:中山さんは「DAISUKI!」の頃からぶれていませんね。ゲスト全員を活かして、番組の結果も出す。中山さんのMCが、これからも進歩していくのを楽しみにしていますね。

(構成:高杉公秀、撮影:尾形文繁)

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