成果を出す人は「緊張度」を使い分けている 銅メダル・卓球女子勝利のカギもそこにある
「適度な緊張感」が最大のパフォーマンスを引き出す
リオ・オリンピックでは日本代表選手が大活躍し、合計41個のメダル数という過去最高の結果となりました。自己ベストを出した選手が多数いましたが、これはのびのびとプレーできたから、つまり、「適度な緊張状態」で試合に臨めた結果ともいえます。
なかでも、卓球女子団体のチームワークは特筆すべきではないでしょうか。主将として、精神的支柱になり、チームをまとめた福原愛選手。日本のエースとして、どんなときも自分と仲間を信じて、団体戦の出場試合で全勝して結果を出した石川佳純選手。初出場のオリンピックで「まったく緊張などしてないです」と、強気の姿勢を保って、実力を発揮した伊藤美誠選手。
性格、個性、卓球スタイル、年代も違う3人それぞれが、アドバイスしあい、鼓舞しあい、カバーし合い、ときにはリードしたことで得られた銅メダル。きっと、その背景には適度な緊張状態があったはずです。そしてそんな状態のときに、アスリートは、最大のパフォーマンスを発揮できるのです。
契約上すべての方のお名前を明かすことはできないのですが、筆者はオリンピック選手をはじめ、日本大学馬術部を二度の全国優勝に導いたりと、過去50人を超えるトップアスリートのメンタルサポートをしてきましたが、その中で「適度な緊張状態」が、試合当日の発揮力アップのための鍵だったのです。