医師の採用面接において、通常、決裁者は院長となります。個人のクリニックは別ですが、病院長というのは大病院を中心として、有力大学出身者が多いのが特徴です。首都圏であれば東大や慶応大学出身の院長が多いですし、北海道であれば北大、九州であれば九大といった感じです。病院側も有力大学とのコネクションは医師派遣という点においても、つながっておきたいところ。コネクションがないからといって不採用となることはありませんが、もし院長出身の大学や医局と少しでもつながりがあれば、話がトントン拍子に進み、そこからご縁ができるということが多くあります。
臨床能力自体に学歴は関係ない
大学教授になりたい、最先端の研究をしていきたいというときは、そうなる機会を手に入れるうえで、出身大学や在籍の医局は大切になりますが、臨床能力自体に出身大学は関係ありません。
『医者になる人に知っておいてほしいこと』(PHP新書)の著者である渡邊先生も本の中で
≪例えば心臓外科の世界では実力がすべてであり、出身大学は関係ないと言われていて、その傾向が明確になってきた≫
と書かれています。
確かに、天皇陛下の心臓外科手術を行った天野先生は日本大学出身、日本で初めて心臓のバチスタ手術を行った須磨先生は大阪医科大学出身、テレビ番組のコメンテーターをされ著作も多い南淵先生は奈良県立医科大学出身であり、皆、旧帝大でも私立の御三家出身でもありません。
私もこれまで大病の経験はあまりありませんが、小さい病気はかなりしており(ストレス性?)、同年代のビジネスパーソンに比べるとかなりの病院、クリニックに患者として通った経験があります。冒頭で述べたとおり、初めてのクリニックにおいては院長先生の学歴や資格を確認しますが、それよりは通いやすさや診療時間を気にするので、医師の出身大学には最終的にはこだわりません。
これまでに受診したクリニックでは、東大卒の医師もいましたし、慶応大学、慈恵会医科大学、昭和大学、聖マリアンナ医科大学といった医師にも診てもらいましたが、それによる違いというものは感じませんでした。
ただ、私が開業支援を行う中で、経営的なセンスということでいうと、出身大学において多少の違いはあるような気がします。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら