開業医には無名大学の医師が向いている? 医師の学歴にまつわるエトセトラ

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大学医局は身内を重視

歴史のある有名な医学部は指導者が充実していたり、症例数が多かったりします。基礎研究に進む医師であれば、やはり東京大学や京都大学は研究も充実しています。

大学医局側は人が欲しいため、他大学出身者も大歓迎、学閥もないということを決まり文句として、医局員を募集します。以前に比べれば開かれた医局になってきているとは思いますが、やはり自分の大学出身者と他大学出身者のどちらを優遇するかとなると、前者を重視する事実はあるようです。

ある大学の医局員に聞いたところ、外様(他大学出身者をこのように呼ぶ)は医局での出世はあまりできないことが多く、パターンとして多いのは、遠く離れた大学の関連病院に出向させ、そのままということのようです。

医師もある程度、医局に何年か在籍すると、そのあたりの事情はわかってくるので、一定のタイミングで退局をし、ほかの市中病院に転職をする傾向があります。

医師の面接は学歴と人脈を中心に話が進む

一般のビジネスパーソンが中途面接で企業を訪問したときには、求職者の自己PRから始まり、企業の説明、条件の説明、求職者への質問など、ある程度流れに沿って面接が進みますよね。

医師の場合もある程度そのような流れがありますが、普通の面接とはちょっと違います。

われわれのような医師の転職支援会社は、病院との面接の際、医師に同行するのですが、求職者である医師に自己PRなどはあまりさせません。医師が提出した履歴書を見ながら採用の決裁者である院長や事務長などがまず確認するのは、どこの大学出身であるか? そしてどこの医局に属している(いた)か? ということです。

よくある医師の面接の最初のやり取りは、こんな感じです。

求人側の病院:山田先生は、東海大学ご出身なんですね? 医局は慶応大学ということで……。そうしたら、渡辺教授はご存じですか?

求職者側の医師:そうですね。渡辺教授にはお世話になりました。

求人側の病院:まだ慶応大学にいらっしゃるんですか?

求職者側の医師:3年前までいらっしゃいましたが、退官された後は〇×病院の院長になられたと聞いています。

求人側の医師:あぁそうですか……。私も渡辺教授にはお世話になりましてね。そういえば、同じ医局の鈴木先生はご存じですか?

なんて話が、下手すると10~20分くらい続きます。採用側の病院としては先生の資質もさることながら、出身大学で優秀かどうかを判断し、その後、どこの大学医局、どこの大学院に進んだかということで求職者の人脈や診療レベルを判断するのです。

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