『奇跡のリンゴ』。2006年にNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」で紹介され、大きな反響を集めた実在のリンゴ農家・木村秋則氏の実話だ。その後、そのエピソードが書籍化され、そして映画化。6月8日から全国東宝系で公開される。
絶対不可能だと言われたリンゴの無農薬栽培を成功させるために、試行錯誤を繰り返し、周囲からは白い目で見られ、そして妻や3人の娘たちにも十分な食事を与えられないような極貧の生活を強いられる日々。想像を絶する苦闘と絶望の果てに見つけた奇跡とは……?
『ゴールデンスランバー』の中村義洋監督がメガホンを執り、阿部サダヲ、菅野美穂、池内博之、原田美枝子、山崎努ら実力派が集結した本作。早くもハリウッドでリメイク企画が進行中であるなど、注目を集めている作品だ。
この映画作品で音楽を担当するのは、日本を代表する作曲家の久石譲だ。彼の音楽が、奇跡を信じ、あきらめなかった男の物語に、深みを与える。今回は久石氏に、映画音楽を生み出す際のプロセスについて聞いた。
――久石さんは国立音楽大学で招聘教授を務められていますが、最近の若者と接して感じることはありますか?
若者をどう見ているか、そういった話題にはあまり興味がありません。それは、高齢者の方も含めて、世代なんて関係なく、どの世代でも対等である、と考えているからです。若いときは、経験がなくて実力もない代わりに、情熱でカバーできる面がある。それとは逆に、ある程度、年齢がいって経験値を積んで、転ばぬ先の杖のような部分が発達して、かえって発達を邪魔してしまう部分もあります。人間に与えられた条件って、どの世代もプラスマイナスで同じだと思っているのです。
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