「世代なんて関係ない」久石譲の仕事哲学とは 久石譲は「蹴落とす」タイプ?

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――忙しい久石さんのリフレッシュ法は?

毎日仕事をするのは絶対体によくないです。だから僕は週1日、日曜日だけは絶対に休むと決めています。でも、日曜は日曜でスコアの指揮の勉強のために、ブラームスのシンフォニーとか、重たい曲をずっと読んだりしています。そもそも一日中、音楽漬けかもしれません。夜中に家に帰ってきて、明け方まではクラッシックの勉強をしていますから。

(C)2013「奇跡のリンゴ」製作委員会

それからコンサートがあれば、まず朝にピアノを弾かなくてはいけません。10時前に起きて2時間ぐらいピアノを弾いて、1時過ぎから夜中の10時か11時ごろまで作曲。そして帰ってから明け方の4時ごろまでクラシックの勉強。それを延々と繰り返していますね。そして、日曜日もずっと夕方まで勉強していますから、日曜の夜にジムに行くときだけが唯一、自分の時間ですね。

忘れることも得意だから、長く続けられる

――久石さんはいわゆる仕事人間なのでしょうか?

はたから見ればそう見えますよね。僕はただやりたいことを、徹底的にやりたいだけなのです。できないのがすごく嫌だから。そうすると人より努力しなくてはいけないし、予習復習を含めて一生懸命やるようにしています。

こんな話だけ聞くとずいぶんまじめな人間に思われるかもしれませんが、忘れることも得意かもしれませんね。だいたい夜帰ってきたときには自分の書いた曲はすでに忘れていますよ。

――ある意味、リセットできているということなのでしょうか?

頭の容量は決まっていますからね。翌日になったら、「昨日何書いたっけ?」といった状態になっています。もちろん譜面をちょっと見れば思い出しますけど。そういう意味では、リセットがうまい人間が、多分いちばんいいと思うんですよ。それが長く続けられる秘訣かもしれませんね。

(撮影:今井 康一)

壬生 智裕 映画ライター

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みぶ ともひろ / Tomohiro Mibu

福岡県生まれ、東京育ちの映画ライター。映像制作会社で映画、Vシネマ、CMなどの撮影現場に従事したのち、フリーランスの映画ライターに転向。近年は年間400本以上のイベント、インタビュー取材などに駆け回る毎日で、とくに国内映画祭、映画館などがライフワーク。ライターのほかに編集者としても活動しており、映画祭パンフレット、3D撮影現場のヒアリング本、フィルムアーカイブなどの書籍も手がける。

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