転職の際「部下」を連れていくことの大問題 誰も望まない残念な結果になる可能性も大

✎ 1〜 ✎ 123 ✎ 124 ✎ 125 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

いったいなぜ、こんなことになってしまったのでしょうか。背景には、社長の高齢化という問題があります。

大同生命が社長1万人のプロフィールを調査したところ、平均年齢は57.2歳で、60代以上の社長も増加していました。さらに創業社長が大きく減少して、事業承継が加速していることが明らかになりました。では、いったい誰が承継するのか?

セルムが20~50代のビジネスパーソンにアンケートしたところ、社長は社内からの起用が望ましいという回答が 67.8%もあるにもかかわらず、自分の勤務先がプロ経営者を起用する」ことに 69.9%が賛成しています。おそらく、誰がみても社内には後継者がいないという会社がたくさんあるということがわかります。

1名連れてくるくらいにとどめておくべき

こうしたことから、新社長を外部招聘する会社は今後、ますます増えていくかもしれません。そんな場合、今回の化粧品会社のケースのように「子飼いの部下」をどうするかも、重要なテーマになってくると思われます。

改めて、なぜ「子飼いの部下」を引き連れてくると、残念な結果になってしまうことがあるのか? それは、彼らの採用人数が多すぎることが要因ではないかと思います。

確かに新会社に乗り込むのに、たった1人では心もとないかもしれません。なので、相談相手やアドバイスをする存在、メジャーリーグであれば監督の相談相手となる「ベンチコーチ」のような人材を連れていきたいと思うのは、当然かもしれません。

ただ、それ以外のコーチも子飼いで固めたい……と要求すれば「no!」 と回答されるのが当たり前。あくまで監督の力量は与えられた戦力で戦うことも含まれているということなのです。

冒頭に登場したDさんも経営企画あたりに子飼いの部下を1名連れてくるくらいにとどめておくべきでした。子飼いの部下はかわいい存在で、一緒に仕事をすると楽に思えるかもしれません。ただ、組織環境が変われば、その部下が同じように活躍できるとも限りませんし、そもそもそこで新たな子飼いを作ればよいのです。過去の“功績”とは決別する覚悟も必要なのかもしれません。

高城 幸司 株式会社セレブレイン社長

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

たかぎ こうじ / Kouji Takagi

1964年10月21日、東京都生まれ。1986年同志社大学文学部卒業後、リクルートに入社。6期トップセールスに輝き、社内で創業以来歴史に残る「伝説のトップセールスマン」と呼ばれる。また、当時の活躍を書いたビジネス書は10万部を超えるベストセラーとなった。1996年には日本初の独立/起業の情報誌『アントレ』を立ち上げ、事業部長、編集長を経験。その後、株式会社セレブレイン社長に就任。その他、講演活動やラジオパーソナリティとして多くのタレント・経営者との接点を広げている。著書に『トップ営業のフレームワーク 売るための行動パターンと仕組み化・習慣化』(東洋経済新報社刊)など。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事