全世界で1億人超、日本国内でも4500万人以上という膨大な利用者を持つ無料通話・メッセージアプリ「LINE」。友だち登録をした利用者同士であれば、無料で通話やメッセージのやり取りができる。
LINEは、企業向けの新しい広告・販促ツールとして、多くのメディアで脚光を浴びている。それもネットの情報・サービスでリアル店舗での消費を促すO2O(オンライン・ツー・オフライン)サービスの急先鋒としての位置づけだ。現在、LINEはO2Oのインフラになる可能性が最も高いネットサービスといえる。
なぜLINEがO2Oに力を入れることになったのか。なぜLINEは、消費者を店舗に導けるのか。LINEが価値を置くものは何か。急成長するLINEのO2O戦略を3回にわたって徹底レポートする。
「コアラのマーチ」売り上げが2ケタ増
20種類以上ものソーシャルメディアなどを駆使したO2Oを使いこなすトップランナー、ローソン。LINEの企業向け「公式アカウント」を利用して、人気商品「Lチキ」のクーポンを配布したところ、10万枚が店頭で使われた実績を持つ。2013年3月時点で、ローソンのLINE公式アカウントの「友だち登録」数は645万人以上にものぼる。フェイスブックの41万人と比べても、ケタ違いの利用者から支持されているのがわかる。
ロッテは「コアラのマーチ」30周年として、コアラの「スポンサードスタンプ」を配信したところ、2 週間後にコンビニでの売り上げが前年度比116.7%となり、その翌週も前年度比111.5%だった。
スポンサードスタンプは、企業が自社キャラクターなどのオリジナルのスタンプを作成して、友だち登録している利用者に無料で提供する広告サービスだ。企業やブランドの価値を高めるだけではなく、店舗へ消費者を導くO2Oの効果も生み出した。
10~20代前半の若い女性に人気のファッションブランド「LIP SERVICE」は、低価格版の企業向けアカウント「LINE@」を使って週末セールのメッセージを配信した。結果、店頭の売り上げが導入前の1.5倍となった。
消費者をリアル店舗に導くのが強みのLINE。LINEのO2Oはどのようにして生まれたのか。
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