急成長するO2Oインフラ、LINEの凄味 4500万人の消費者と店舗をつなぐ

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“インフォメーション”ではなく、“エモーション”

LINEの勢いはすさまじい。2011年6月のサービス開始後、わずか1年7か月で1億人の利用者を超えた。フェイスブックが1億人を達成するのにかかった時間は4年半。それと比べても驚異的だ。

しかも、1億人のうちなんと半数の利用者が、毎日LINEを利用するというアクティブ率の高さを誇る。これほどまでのLINEの急拡大の理由は何か。NHN Japanで、ウェブサービス本部代表を務める出澤剛取締役は、次のようにみている。

NHN Japanの出澤剛取締役

「LINEのコンセプトは3 つ。まず、スマートフォンに特化していること。コミュニケーションの質が、基本1対1 のクローズドに閉じられていること。クローズドだからこそ、そこを流れるやり取りが、“インフォメーション”(情報)ではなく、“エモーション”(感情)。このコンセプトが利用者に大きな共感をいただけたのでは」

時代的な背景として、スマートフォンの急成長がある。従来の携帯メールと比べ、スマートフォンでのメールが使いづらいと感じていた利用者がLINEに飛びついた。2011年10月から提供を始めた「スタンプ」も絶大な支持を受け、利用者拡大の追い風となった。

LINEの“O2O”はどのように始まったのか

現在、LINEは各種広告・販促サービスの強化を進めている。注目すべき点は、そのすべてがリアル店舗での消費行動に影響を与える“O2O”を生み出すということ。従来のネット広告と大きく異なる特徴のひとつだ。その理由にこそLINEの強みがある。

「LINEは最初からバナー広告などは絶対にやらないと決めていた。従来のネット広告とは違うもの、LINEならではの広告を考えた。それが結果としてO2Oになった」と出澤氏は強調する。

ネット広告でおなじみのバナー広告。利用者がクリックすると、クライアント企業のページが表示されるというものだ。ただ、LINEは親しい友だちとコミュニケーションを楽しむツール。もし画面上にバナー広告があれば、利用者は大きな違和感を感じてしまうだろう。

利用者にはストレスをかけず、なおかつ広告価値が上がる手法は何か。出澤氏らはその点から徹底して落とし込んでいった。

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