「令和のコメ騒動」の"元凶"は農水省にあり!彼らが直視しない《コメ不足》深刻化のメカニズム

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「1年間で価格が2倍になったのはなぜ?」
令和のコメ騒動で、最初からつきまとった疑問はこれだ。素朴な質問に対して、納得できる説明を農林水産省ができなかったことが不透明感を強め、混乱に拍車をかけたと筆者は見る。
コメの値上がりが始まったのは2023年産米の出回り末期。つまり2024年の春先からだ。農水省が調べるコメ相対価格(玄米60キログラム当たり)は2024年2月に1万5303円の安値からじりじりと値を上げて、8月には1万6133円になった。
「新米が出れば値段は落ち着く」という農水省の度重なる説明は裏切られ、2024年産新米の相対価格は9月に2万2700円でスタートし、今年4月には2万7102円まで上昇。1年前の75%高となった。小売価格は値上がり幅が大きく、スーパーの店頭価格は5キログラム当たり4000円を超し、1年前の2000円水準の2倍になった。
農水省はコメの需給が逼迫していることが明らかだったにもかかわらず、2024年産の主食用コメの収穫量が前年に比べて18万2000トン増えて679万2000トンになったとして、「数字の上では需給は均衡している」との姿勢を崩さなかった。
農水省は「流通目詰まり論」に固執
その代わりに持ち出したのが「コメが流通段階で滞留している」という目詰まり論だ。高値になることを見越して、農家や流通業者、新規参入業者が少しずつ手持ちを増やし、結果として市場に出回るコメが薄くなったという見方だ。
正確な需給状況を把握していれば、目詰まりなどと意味のないことを言う代わりに、早めの備蓄米放出などの手を打てたはずだ。筆者は農水省自身がコメの需給を見失っていたと考える。いくつか理由がある。
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