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第三者委をほぼ無視した「いわき信組」の生え抜き人事、不正融資の舞台となった大口融資先X1社グループを直撃取材

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いわき信用組合本店
いわき信用組合が6月13日に新たな執行体制を発表。新理事長はまさかの「生え抜き人事」だった(記者撮影)

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不正融資問題に揺れるいわき信用組合は6月13日、総代会を開いた。総代会は信用組合の最高意思決定機関で、株式会社でいう株主総会にあたる。

総代会での注目は、誰が新たな役員として選任されるのかだった。組合側は5月30日の第三者委員会による調査結果の公表と同時に、本田洋八理事長(当時)をはじめ役員7名の辞任を発表。全国信用協同組合連合会(全信組連)から新たな役員を招聘するほか、外部人材2名を非常勤理事とする方針を示していた。

第三者委も想定外の内部昇格

「これはさすがに想定外だった」――。

第三者委の関係者がこう驚くように、公表された役員人事は意外なものだった。新たに理事長として選任されたのは、組合で経理部長を務める金成茂氏。まさかの「生え抜き」人事だった。

「我が国の金融機関の歴史を見ても類例をみないほどに悪質」とまで指摘されていただけに、今後の経営の舵取りを担う役員の顔ぶれが極めて重要であることは言うまでもない。そもそも第三者委は新経営体制について、次のように注文をつけていた。

「不祥事案に一定の関与をしてきた役員は一掃して新たな経営体制を構築すべきである(中略)外部から金融業務についての専門的知見を有する人材を常勤者として招き入れて、業務運営の適正化を図ることも有効」

外部人材の活用により、体制を一新せよとの明確なメッセージだった。しかしながら、新たに選任された常勤役員6名のうち、外部人材は全信組連から招聘された森貞隆之氏たった1人。

このほか外部人材として選任された2名はいずれも非常勤理事となり、「常勤の員外監事を新たに選任して監視機能を高めること」という第三者委の指摘に関しては、完全に無視される人事となった。

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