急成長するO2Oインフラ、LINEの凄味 4500万人の消費者と店舗をつなぐ

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利用者に喜んでもらえる効果的なメッセージを配信するために、さらに企業側に対して丁寧にアドバイスしている。配信の頻度や時間帯、情報の内容はもちろん、絵文字の使い方や文章表現、クーポンの内容など、細かいところまでLINEはアドバイスする、という。

2013年12月には、中小事業者でも利用できる月額5250円からの企業向けアカウント「LINE@」がスタートした。サービス開始後3カ月だが、早くも全国津々浦々のショッピングセンター、飲食店、美容院、学校、エンタメ施設、宿泊施設などで利用されている。その数は推定数千に上るとみられる。

「ひよこちゃん」スタンプが3カ月で1億回

LINEの最大の魅力のひとつはスタンプだ。80%以上の利用者が、友達とのメッセージをやりとりする際にスタンプを使うという。無料の基本スタンプは種類が少ないため、有料スタンプの売り上げも好調だ。

「LINE利用者から見ると、“LINE=スタンプ”とも言えるくらいに、非常に皆さんに喜んで使っていただいている」(出澤氏)。

そこで生まれた新しい広告が「スポンサードスタンプ」だ。利用者の間には、もっといろいろなスタンプを無料で使いたい、というニーズが非常に強かった。そこで、企業がスポンサーとして自社キャラクターなどのスタンプを作成し、無料で利用者に提供する。利用者と企業の双方にメリットがある新しい広告というわけだ。

現在、スポンサードスタンプの提供には、6カ月間で1500万円が必要だが、うまく当たればその影響力は極めて大きい。

例えば、日清食品が提供したチキンラーメンのキャラクター「ひよこちゃん」のスタンプは、3カ月間の利用回数が1億回という空前の大ヒットとなった。

日清食品は、キャラクター「ひよこちゃん」を媒介に、若年層の認知を獲得する狙いでLINEのスタンプに目をつけた。

日清食品マーケティング部主任の三宅隆介氏は、次のように話す。「話題性の高いメディアであるLINEにおいて、一番手で実施することによる話題性、注目度の最大化を目的にした」。

2012年7月に「ひよこちゃん」スタンプを配信したところ、たった3カ月で利用回数が1億回を超えてしまった。

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