今、日本の音楽シーンは、空前のラップブームと言われています。
ラップとはメロディをつけずに韻を踏みながら歌う、アメリカ発祥の歌唱法のこと。日本に広まったきっかけとなったもののひとつとして、1983年に公開されたアメリカの黒人のストリートカルチャーを描いた映画『ワイルドスタイル』が挙げられます。そして、1985年にはいとうせいこうさんが初めての日本語ラップアルバムの『業界くん物語』をリリースします。それから30年の時を経て、今、ラップブームが到来しています。
例えば、配信チャート1位を獲得したお笑い芸人・オリエンタルラジオ率いるRADIO FISHの「PERFECT HUMAN」、エグザイルらが所属するLDHからデビューした初のラップグループDOBERMAN INFINITYはオリコン3位を獲得し、AAAからラッパーとしてデビューしたSKY-HIはオリコン2位を獲得しました。
また、アイドルであるももいろクローバーZがラップの「堂々平和宣言」を歌い、ラップだけで物語が進む園子温監督の映画『TOKYO TRIBE』が放映になるなど、テレビCMでも多数ラップが使われるようになっています。
今回は、何故、ラップが若者の心をつかんでいるのか?また、どうつかんでいるのかを、若者研究所の現場研究員たちがリアルにレポート、解説してくれます。
今どきの「ラッパー」事情
「ラッパー」と聞くとどのようなイメージが湧くだろうか。
おそらく少し前までは、ダボダボな服を着たヤンキーのような人が、ラップをしているイメージがあったのではないだろうか。しかし、今の若者の間ではそういったネガティブなイメージはほぼなくなっている。むしろセンスがあって賢い、トレンドリーダー的な存在とすら思われている。
そうして今、ラップが若者の間で大流行している。今回は、そんな若者たちをとりこにするラップの魅力について、幾つかの事例を挙げながら迫ってみる。
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