元々、Instagramでは大量のタグを付けて投稿することが流行っていたが、それが一般化され過ぎた結果、タグが少ない投稿はビジュアル的に物足りなく感じられるようになってきた。
ただ、単語を羅列するだけのタグでは変わり映えがせず、つまらない。そんな中でこのタグラップは、「自分の投稿した写真」をお題に韻を踏んだラップ調のタグを付けていくことで、読む時にリズムがつき、他の投稿との差別化が図れる。また、韻を踏むことで自分のボキャブラリーの豊富さを示し、普段は見えない(意外と知的な)一面をアピールすることもできるかもしれない。そのため、少しでもSNS映えを狙おうとする若者のニーズに合い、流行っているのではないだろうか。
首から下げられる派手なネックレスや腕に輝くアクセサリー、そして特徴的なダボダボのズボン……。ラッパーといえば、アクの強いヒップホップ・ファッションを身にまとい、オラオラしている姿を思い浮かべる方が多いのではないだろうか。
だが、最近の若者ラッパーのファッション事情は以前とは対照的。スタイリッシュなストリートファッションが主流となってきているそうだ。
先日、大学対抗のイベントに参加したAさんの格好は、ノースフェイスのズボンと白いTシャツにノーマルなジャージ。シンプルでありながら、どことなくお洒落さを感じさせる。
人気ラッパーKOHHはパリコレに出演
また、ブランド志向が強いラッパーも増えてきており、SNSに投稿される彼らのファッション画像が注目を集めている。中でも、若者に人気のKOHHはラッパーの実力もさることながら、パリコレに出演したという異色の経歴を持ち併せており、トレンドの最先端を行く見逃せない存在だ。
ブランドが持つ上品なイメージと、ラップは意外とよくマッチする。リズミカルに言葉を紡ぎだす「知的さ」や、相手をdisり合う前提としての「礼儀正しさ」など、内にあるものをさりげなく引き出しているのではないだろうか。ファッションは、現代のラップをより魅力的なものに仕立てる、見逃すことの出来ない要素ではないかと思う。
現代の若者は、SNSにより交友関係が広がりすぎた結果、自分の知らないところで友だちと友だちがつながっている可能性があることから、所属するコミュニティが増える一方で、自分の本音を話せる場は少なくなってきている。また、スマートフォンによって欲しい情報はすぐ手に入れられるため、調べれば誰でも分かるような情報よりも、人との会話の中で生きるコミュニケーション能力やアドリブ力などの価値が高まってきている。交友の幅が広がり、どんな人とでもコミュニケーションをとる必要が出てきたことも背景にはあるだろう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら