空前の人気!若者がハマる新型ラップの正体 第3次ブームは、今までとは全然違う

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 「友人の間でのラップに対するリアクションが最近、明らかに変わってきた」と彼女は語る。ラップに関心があると思っていなかった彼女の友人が、渋谷でサイファーのイベントを観客として楽しむといったケースがあり、そう感じるそうだ。

サイファー以外にも、普段からラップのイベントに訪れることも多い。先日も『フリースタイルダンジョン』の出演者が出ているライブを楽しんだそうだ。また、それ以外にもラップのグループが出演している野外フェスや、ラッパーが出した本のイベントにも訪れるほどだという。

左)ライブハウスで行われるラップのイベント 右)ラップのグループが出演した野外音楽フェスティバル

相手のことをよく知っていないとできない

ライブハウス内の様子

ラップの魅力として多くの人が挙げるのは、相手に本音をぶつけられるということだ。筆者も含め、日本人は基本的に相手に対して「思っていることを言えない」人が多いと感じる。ただ、ラップのバトルとなればdisり合いが当たり前だ。他人をののしるのは、簡単ではない。相手のことをよく知っていないとできないし、相手のことを信頼していないとできない。もしいいかげんに取り組もうものなら人間関係が壊れてしまう。

SNSがこれだけ普及し、他人にどう思われているか、以前よりも敏感になる人が多くなっている。そんな状況の中で、本音をぶつけ合えるラップが、多くの若者たちにとって魅力的に感じられるのかもしれない。

事例2 タグラップ

ラップの影響は意外なところにまで及んでいる。

タグラップとは、InstagramやTwitterなど、SNSで投稿する際に付けるタグをラップ調にすることである。

タグラップをInstagramで用いているC君

都内に住む大学3年生のC君も、このタグラップをInstagramで用いている。

彼は先輩からYouTubeにある『フリースタイルバトル』の動画視聴を勧められたことがきっかけでラップ好きになったという。

ラップの中でも特に「韻を踏む」という部分にとても魅力を感じたが、自らの日常生活でフリースタイルバトルをする機会など無く、韻を踏む機会も無かった。そんな時に目にしたのが、Instagramのタグをラップ調にする投稿。これなら自分にもできると思いやり始めたそうだ。普通に投稿するよりも多くの”いいね!”がもらえるらしく、今では頻繁に使用しているという。

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