ヤフー社員が、”弁当屋”になったワケ 世界一、ネットで弁当を売る達人もやってきた!

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不安だったのは、リリース前の役員の方たちに向けた社内試食会だった。一般的に、エラいおじさんはグルメぶっていろいろ注文をつけてくることが多いものだ。
ところが……。

「これだったら良いじゃん!」「鮭うまっ!」

役員たちは、うまいうまいとガツガツ食べてくれ、僕らは胸をなでおろした。

バカ売れする、950円の高額弁当

こうして完成したヤフー弁当。まず、ヤフー社内に出す弁当の数は、最初はやや気弱に“50食”限定にした。

すでに出入りしている弁当屋さんに迷惑をかけられないという思いもあったが、ほかの弁当屋さんの弁当は500円前後。それに対し、「石巻爆速復興弁当 金華ぎん」は950円と値段は2倍。

売れ残ったらという心配もあったのだが……。売り始めたら、またたく間に完売してしまった。

リリース当日は、報道関係者向けに復興弁当の試食会を開催した。十数人の記者を呼び、これからヤフーが石巻で何をやっていくかを説明しつつ弁当の味見もしてもらった。

ヤフー役員と味わう弁当試食会は、複数のメディアで記事にしていただいた

社長の宮坂、副社長の川邊らと一緒に味わう”弁当試食会”という特殊さが記者の方たちに受けたのだろうか。さまざまな媒体に記事として取り上げられた。

現在も毎週木曜日のお昼時に、ヤフー社内で弁当を販売しているが、売り上げは上々だ。

いまや、社内での1日あたりの販売数はなんと最大で360個。買うための長い行列が伸びていて、恐ろしいくらいの人気だ。当初は、もの珍しさやお試し感覚で買う人も多かったと思うが、発売から半年以上経ってなお売れ続けているので、社員たちに味がしっかり認められたということだろう。やはりおいしいものは強い。

ちなみに、お弁当の売り子は、広報の安田と、一緒に弁当企画を立ち上げた箕輪(みのさん)、有志の若い社員だ。本人たちは「売れ残ったらロスになる」からと、必死に売っているようだが、時計を見ながらお弁当を手際よく広げて、社員に積極的に声をかけている様子は、もはや弁当屋の元締めみたいだ。

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