30代前半の“イケメン社長”きっしーさんは、アパレル卸会社から楽天に転職。楽天球団を立ち上げた当初、自ら挙手して仙台に飛び込み、球団創設に大きく貢献した人だ。独立後は、お弁当・ケータリングの総合モール「ごちクル」を運営し、ネットでの弁当販売を精力的に展開している。
川邊の強烈な紹介で、すぐにきっしーさんに会いにいった。あの座談会の6日後のことだ。
「ぜひ一緒にやりましょう!」。きっしーさんは忙しいのに時間を取ってくれ、すぐさま快諾してくれた。さすが、川邊の知り合いは話が早い。
「ここがちょっと難しいかもしれないから検討して」などとペンディングにしたりしない。細かい懸念事項への対応は後々やるとして、おおよそ行けるだろうと判断すれば、”爆速で”物事は進む。
きっしーさんの会社は、弁当のプロデュースや代理販売を本業としている。現地の食材を使ったメニューも一緒に考えてくれ、しかも一般向けのネット販売にも協力してもらえることになった。実際に弁当を作ってくれる弁当屋さん、スタイリストさんも紹介され、いよいよ具体的に弁当開発がスタートした。
知られざる、弁当業界のすごい人々
まずは、「復興デパートメント」立ち上げのきっかけにもなった本田水産の本田太さんに相談した。
「弁当にするならこういうのがいいよ!」
本田さんは、2時間くらいノリノリで食材について解説し、いろいろとおいしいおかずを試食させてくれた。わかめの佃煮、小女子のピリカラ煮……。一見地味なようで、食べてみると、これがものすごくウマい。
「とにかくおススメだから!」と、本田さんは頼んでもいないのに、そのサンプルを弁当屋さんに送り届けてくれた。それらのお惣菜は、第1弾のおかずとなっている。
このように食材選びに関しては、僕は現地の生産者と弁当屋さんの間をつなぐコーディネイトだけをさせてもらった。
もちろん、コンセプトは先に伝えておいたが、自分のような弁当の素人が食材の細かいことに口を出しても、しかたがないと思ったからだ。
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