スティーブ・ジョブズを失ったシリコンバレーで、今、“第2のジョブズ”とも呼ばれる人物が脚光を浴びているのをご存知だろうか。
ジャック・ドーシーは、シリコンバレーやテクノロジー業界の若者たちの間で絶大な人気を持つ起業家である。
ドーシーはツイッターの共同創設者であり、モバイル支払いシステム開発のスクウェアの共同創設者。社会とビジネスに変革を起こそうというスタートアップを、立て続けに2社も興したとなると、それだけで注目が集まるだろう。
だが、ドーシーが慕われているのは、それだけが理由ではない。彼が「哲学的な起業家」とみられていることも大きい。ビジネスのアイデアに、製品のあり方に、会社の運営方法に、そして自分の人生において、彼はいつも考えを巡らしている。
人々は、そんな様子を見て、彼がただ金儲けのために仕事をしているのではなく、より意味のある“何か”を求めていることを感じ取る。ドーシーが、時代の指針を与えるという意味で第2のスティーブ・ジョブズと目されるのは、それがあってのことなのだ。
大学中退のハッカー、ツイッターCEOへの道
ドーシーの生い立ちや、ここに至るまでの道のりは面白い。生まれたのは、米国ミズーリ州のセントルイス。幼い頃は、大量輸送機関に関心を抱いていたという。鉄道やバス、タクシーなどだ。
そのうち興味を抱き始めたのは、タクシーの配車サービスの仕組みである。ティーンエージャーの関心の対象としては、ずいぶん特定的なものなのだが、独学でプログラミングを学び、その技を使って、高校生の頃には自分で自転車配達サービスを始めようとしたほどである。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら