「メイカーズ革命」は全産業を変える

『MAKERS』著者のクリス・アンダーソン氏に聞く

インターネット経済の本質を切り取って見せた『ロングテール』『FREE』というヒット作のある米『WIRED(ワイアード)』誌元編集長のクリス・アンダーソン氏。昨年9月には3冊目となる『MAKERS』を上梓(日本語版は同10月刊行)、第3の産業革命によってものづくりの在り方が大きく変わると予想する。これを受け、週刊東洋経済1月12日号では日本でも広がりつつあるメイカーズムーブメントを「メイカーズ革命」と名づけ、特集を組んだ。
新たな革命はものづくりや、関連するメーカーにどのような影響をもたらすのか。アンダーソン氏に聞いた。

 

――『MAKERS』ではメイカーズ革命が「第三の産業革命」になると提唱しているが、そう考えるようになったきっかけは。

私の場合、自分が始めて夢中になったことが何か大きなムーブメントの一部ということが多い。メイカーズ革命にかかわったのも、5人の子どもたちに理科の実験材料を探していたのがきっかけだ。

レゴのロボティクス教材を使ってラジコン飛行機を自動操縦する実験を考えついたのだが、その瞬間スマートフォン(スマホ)には飛行機を飛ばすのに十分なセンサーやプロセッサが搭載されていることに気がついた。スマホ革命によって洗練されたセンサーやGPSなどの技術がただ同然の価格で手に入る時代が訪れ、こうした技術を使っていろいろなことができると考えたのだ。

そこで、ネットにコミュニティを作り、プログラミングや組み立てなどもするようになった。工学やデザインの学位がなくても、いとも簡単にものづくりを始められた。自動操縦装置に必要なモーターもアリババドットコムで部材を探し、それを現地の企業に組み立ててもらった。このモーターを受け取ったとき、製造設備を持たない自分でもメイカーズになれると実感した。子どもの実験は今や大きな工場を2つ抱える事業に成長した。

手つかずの「1万個市場」がメイカーズの主戦場に

――パーソナルファブリケーション(個人製造)によって最も影響を受ける産業分野は。

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