「メイカーズ革命」は全産業を変える

『MAKERS』著者のクリス・アンダーソン氏に聞く

Chris Anderson●英『エコノミスト』誌記者を経て、米『WIRED』誌編集長に就任。「ロングテール」や「フリーミアム」などハイテク業界の新潮流をいち早くとらえるトレンドセッターとして知られる。

一方、電機メーカーの研究開発部門にとってメイカーズ革命は、「Internet of things(もののインターネット)」の開発に参画できるチャンスとなる。スマートハウス構想などは長らくあるが、技術的に複雑で実現できていない。

が、将来的にスマホなどあらゆる電子端末が進化し、互いに交信できるようになるはずで、その先導役がメイカーズ企業になると思う。HTMLやJavaスクリプトなどのオープンな技術が次世代端末のベースとなるだろう。

大企業はこうした開発を自ら先導できるほど動きは速くないが、自社技術を公開して外部の開発者に製品やサービスを開発させ、それを大量生産するといったことはできるのではないか。

――メイカーが事業資金を調達する手段として、「クラウドファンディング」が注目されているが、詐欺や不正など安全面での懸念もある。

クラウドファンディングにはキックスターターのようにネット消費者から製造される商品に対して小口の資金を募る方法に加えて、最近では新会社の株式を取得する方法も出てきている。

新興企業における製品の開発・発売の遅れや、製品開発の中止はよくあることであり、キックスターターの場合は各社がその理由や解決策などを明確にするようにしているので、不正が起こる可能性は低いと考えている。一方、出資方式は製品が出ていない時点で投資することになるので、不正が発生する懸念もある。

日本ではまだ革命は起きていない

――日本でのメイカーズ革命に期待することは。

来日したのは5年ぶりで、今回は日本での状況について学ぶ非常にいい機会となった。日本はものづくりとイノベーションの先進国で、ここでこそメイカーズ革命が国の新たな未来を切り開くと考えている。ウェブを利用した新たな形のものづくりが早く日本にも浸透してほしい。

今のところ日本では本格的なメイカーズ革命は起きていないようだが、1社でも成功例が出てきて、後に続く起業家のロールモデルになってもらいたい。

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