人事異動後に結果が出せる人、出せない人 上司の言う「前提」は、絶対に覆らない?

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さあ、世間は人事異動シーズン、真っただ中。「ついに念願の部署に行ける!」と狂喜乱舞する人、「なぜ俺があんな部署に……」と涙を流す人などなど。今日も日本全国の職場で、悲喜こもごものドラマが繰り広げられていることでしょう。

さて、人事異動でよくあるのが「上司は『異動は当面ない』と言っていたのに、突然、地方転勤になった」などというパターン。「大前提」と思っていたことが突然覆されると、人は動転し、それまでとは別人のように弱くなったりします。気持ちの切り替えができず、その後うつうつとして過ごす人も多いかもしれません。

あるメーカーで商品開発の担当をするPさんも、そんな1人。

「このテーマで開発を急いでほしいので、別の仕事はやらないこと」

と、ひとつの仕事に集中することを、上司から厳命されました。難度の高い仕事で、失敗が許されないからでしょう。上司の言いつけどおり、Pさんはその仕事に専念。「相談したいことがあるのだけど」と同僚から声をかけられても、「上司から別の仕事にかかわるなと言われているので」と相談レベルでも対応を拒否。

周囲から「いくら何でも冷たいよ」と言われても、頑として態度を変えませんでした。でも、それは任された仕事を全うするために、絶対必要な前提条件であるとPさんは信じていました。

ところが1カ月も経たないうちに、上司は「悪いけど、この開発もお願いするよ」と前提条件を変える依頼を持ち込んできました。それに対してPさんは、「話と違う」と噛みつきました。すると……。

「状況が変わったんだよ。それを察するのも大事なことじゃないか」

と、愕然とする返事が返ってきました。結局、Pさんはなし崩しのように、複数の開発案件を同時並行することになりました。

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