「世代間ギャップ」に悩んでいるという先輩社員の声を、よく耳にするようになりました。たとえば、商社に勤務するDさん(32歳)が若手社員に仕事を頼もうと指示を出したところ、
「何をおっしゃっているのか、よくわかりません。僕は理解力が低いので、簡単に説明をお願いできますか?」
と、まるで戦いを挑むような返事が返ってきました。
Dさんはかなりカチンときたようですが、ぐっと耐え、丁寧かつ簡単な言葉に置き換えて指示を出したとのこと。2人のコミュニケーションには、かなりのズレがあったのでしょう。
そう、最近の世代間ギャップは、コミュニケーションの面での問題が大きくなっている気がしてなりません。聴いている音楽が違うとか、食が細い気がしたりすると、
「最近の若者は、車離れが激しくて困るよね~。もっと、遊び心がないとダメダメ!」
と、価値観の変化を指摘する人もいますが、そんなことはいつの時代にもあったこと。それより、お互いの対話上のズレの大きさに注目してみてください。さっそく、若手社員の主張に耳を傾けてみましょう。すると……。
「先輩社員の指示があいまいでわかりにくい」
「何をしたらいいのかわからない指示に、戸惑う毎日です」
と、先輩社員の指示自体がダメだと主張する声があふれています。それはなぜか? 実は若手の言うとおり、先輩社員の指示が、具体的になっていないのです。
ここで、あなたにそのことに気づいていただけるケースを紹介しましょう。たとえば、あなたが若手社員に、
「火の用心をしてほしい」
と言ったとしましょう。
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