人事異動後に結果が出せる人、出せない人 上司の言う「前提」は、絶対に覆らない?

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転勤先でも、これまで同様に活躍できる?

さて、冒頭の話に戻ります。会社員がいちばん動揺する“前提のちゃぶ台返し”は、なんといっても人事異動です。

上司に「当分、異動はない」と言われたのに、ふたを明けてみれば地方勤務。あるいは畑違いの部署への異動。こうしたことを、経験した人は多いでしょう。

リクルートワークス研究所の調査によると、現在の勤務先で異動を経験している人は約半数。また、「異動を聞いたとき、すぐには受け入れられなかった」という人が22.4%。その理由は、その異動を想定していなかったという驚きに加え、異動先の職務内容が異動前と比べて「まったく異なっていた」人が少なくないからでしょう。

長く同じ職場にいて、その仕事に慣れてしまうと、新しい環境を求めない人はとても多いのです。違った仕事(部署)に移るのは精神的負担も相当あるでしょう。ただ、本人の気持ちがどうであろうと、上司の言う前提条件は、会社の事情であっさりと裏切られます。そんなときはどのように気持ちを整理したらいいのでしょうか?

ひとつのケースを紹介します。取材したのは食品メーカーで営業職をしているGさん。本社から広島支店に配属されて10年。その間、上司にあたる支店長は3人変わりましたが、Gさんは「生き字引」と呼ばれる存在として君臨。支店内の代理店や地元の関係者、あるいは地元で飲むならどこがいいかまで、相談されるようになっていました。

というのも、Gさんが過去に起きたトラブルとその対処法、あるいは取引先のキーマンの深い人間模様まで把握しているからです。支店内の人材配置の都合で異動のタイミングを逸したうえ、、地域を担当する役員からも「あと数年は頑張ってもらいたい」と声がかかっていたので、本人は安心しきっていました。

ところが、状況は一変。人事部が「5年以上、異動歴のない従業員は自動的に部署を変える」との内規を作ったのです。そのうわさは社内に広まっていましたが、Gさんは上司からの言葉を信じていたので、不安を感じていませんでした。

そして1カ月後、Gさんは支店長から呼ばれ、札幌へ異動の内示を受けました。「話が違う」と叫びましたが、それで異動がなくなることはありません。支店長は新しい職場での仕事に対する期待を語るだけです。果たして、新しい職場で活躍できるでしょうか?

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