ちなみにGさんの異動は、広島での10年間で培われた人脈や経験が別の支店でも活かせるのか、周囲も注目しています。Gさんは全社の売上成績で上位2割以内をつねにキープしてきた存在。営業としての力量は高いので、別の地でも花開くと誰もが思っていました。ところが、結果は残念なものに……。
異動先の”流儀”に従う勇気も大事
異動して半年経っても、Gさんの成績は一向に上がってきません。逆に「仕事のやり方が古い」と周囲から指摘される始末。
訪問先に顔を出して何気ない世間話をして人間関係を作るのがGさんの営業スタイルです。ところが、札幌では業務の効率化のため、代理店を活用。取引先 への直接訪問は目的が明確なときに限定され、それよりも商品知識を高めて代理店へ説明に回ることを支店長が求めていました。
Gさんはこの営業スタイルを受け入れられず、孤立していく一方。ついには、「心の準備ができていなかった。広島に帰りたい」と言い出してしまいました。
人事異動は誰にでも、突然やってくるもの。「異動はない」と固く信じ込んでいると、受け入れるのに時間がかかってしまいます。やはり、会社が言う前提条件など、環境の変化でころころ変わるもの……と割り切る覚悟をつねに持っていたいものです。
さて、これからGさんはどうしたらいいでしょうか?
過去の成功体験は全否定されるものではありませんが、まずは札幌のやり方を受け入れて「やってみる」姿勢を示すべきでしょう。勇気を持って、過去のスタイルを捨て、現在の職場のやり方を受け入れる姿勢を示すことができれば、周囲との関係も良好になるでしょう。そこから始めることができれば、意外と道は開けてくるはずです。
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