私立大「財務力ランキング」ベスト30
半数近くの私立大が“赤字経営”

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大学経営が一段と厳しくなっている。私立の大学・短期大学を経営する619の学校法人のうち、42%に当たる262法人の帰属収支差額がマイナスに陥っている(2011年度)。帰属収支差額とは、企業会計でいう利益。半数近くの私立大学が赤字経営を余儀なくされているということだ。この赤字大学法人の比率は、08年度の46%をピークに、10年度まで減少したが、11年度に再び増加に転じた(下図)。

大学の経営が厳しい理由は、大きく2つある。1つは少子化による18歳人口の減少だ。1992年に205万人いた18歳は、12年に119万人へ約40%減少している(文部科学省「学校基本調査」より)。2つ目は大学設置基準の緩和による大学数の増加だ。92年には523校しかなかった大学が、12年には783校へ1.5倍に増えている(同)。

これまで、18歳人口が減少しても、大学進学率が上昇したため、入学者数は横ばいを確保し、大学経営は成り立ってきた。しかし、近年は進学率の上昇にカゲリが見え始めている。その一方で、大学数の増加に歯止めがかかっていない。今後、大学経営はますます厳しさを増していくことが想定され、それに耐えうる財務力を持っているか否かが大学の生き残りを決めるカギとなる。

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