私立大「財務力ランキング」ベスト30
半数近くの私立大が“赤字経営”

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収入と支出と資産の上手なマネジメント

以上により、財務力の強い大学には、次のような特徴があることがわかった。授業料以外の収入源を持っていること、コントロール可能な支出構造であること、教育関連へ積極的に配分していること、成長に向けて規模を拡大させていること、継続的に収支バランスがプラスであること、という点だ。強い財務力を持つ大学は、収入、支出、資産をうまくマネジメントしている。

大学を取り巻く環境は日々厳しさを増すばかりである。今後、大学が生き残っていくためには、教育・研究事業の質を高めていくと同時に、授業料以外の収入源を確保することで、授業料収入の変動を吸収していくことが必要となる。

さらに、状況変化に対応できるよう支出の変動費化を進め、学生に役立つ支出には重点投資をしていくことで将来の学生を増やす、という好循環を生んでいくことが求められる。大学を破綻させないため、収支のバランスを経営的な視点でとらえたマネジメントが重要となる。

また、大学を選ぶ学生・保護者も、教育・研究・就職という評価軸に加え、財務の視点も含めた総合力で、大学を見抜いていくことが大切だ。

(週刊東洋経済2012年10月27日特大号)
記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。図表などにつけたページは、本誌掲載ページを指す。

池田 和弘
いけだ かずひろ

経営・組織改革を専門とし、大学、官公庁、民間企業など多岐にわたる大規模な改革案件に従事。

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根本 武 アクセンチュア ビジネス コンサルティング本部 マネジング・ディレクター

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ねもと たける / Takeru Nemoto

中小企業診断士、経済産業省システムアナリスト。2007年にアクセンチュア入社以来、教育・研究機関、および教育関連企業向けの支援に従事。戦略策定からM&A、業務・システム改革、アウトソーシングまで多岐にわたり主導。近年は国立大学(経営統合全体支援)、大手教育サービス企業(経営戦略策定)、研究機関(バックオフィス改革支援)等の大規模改革を担当。

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