ここで、1例紹介しましょう。ある事務機器の営業部で上司(Aさん)が部下(Bさん)に頼みごとをしました。上司のAさんは会議の時間に遅れそうで、バタバタ準備しながらBさんの机にやってきて、
「夕方まで会議で電話に出られない。悪いけど、お客様から連絡があったら対応よろしく」
と頼むと、走ってフロアを出ていきました。Aさんはもともと営業のたたき上げ。今でも直接担当しているお客様が何社もあります。さて、Bさんも午後から営業に出かける予定があります。そこで頼まれごとは、誰かに引き継ごうと思った矢先に、電話が舞い込みました。
「佐藤物産のCと申します。Aさんはいますか? 急ぎで聞きたいことがあるのだけど……」
ここで、あなたなら、どのように行動しますか?
パターン1:「夕方まで会議で不在」と伝えて電話を切る
パターン2:用件を聞いて、メモをÅさんの机に残す
普通の人は、パターン2の対応で終了です。ところがBさんは、さすが期待の星。「急ぎ」と聞いて、《Aさんが会議から戻る前に対処しないと、失うものはないか?》を考えて、違う行動をとります。具体的には、
「私、同じ部署のBと申します。あいにくAは会議で夕方まで戻りません。ご用件は確実に伝えますが、お急ぎであれば可能な限り私のほうで承ります」
と回答。するとCさんは、
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