今、新入社員の採用数を増やしている企業はごくわずかしかありません。振り返ると、当方が社会人になった1980年代は、新入社員を1000名超採用する企業もたくさんありました。金融・流通サービス・人材業界では大がかりな入社式が行われ、テレビでもよく紹介されたものです。
その大量入社世代が40代になり、職場で中核を担う時代になりました。ところが悩ましいことに、
「うちの職場には3年以上も新入社員が入っていない」
「相変わらず、部下のいない担当課長をしています」
などと、組織の新陳代謝が悪い状態に陥っているという話をよく耳にします。企業の採用人数が減少し、給料が上がらない、昇進するポストがないと、待遇・処遇面での閉塞感にさいなまれている様子です。
会社を辞めて転職し、キャリアアップすればいいという考え方もありますが、「できれば、今勤めている会社で長く働きたい」と考えている人が大半です。
ちなみに、同様の志向が若手社員でも顕著に高まっています。会社の成長が止まり、辞めない社員と、抑制された採用が続けば、閉塞感のある職場が形成させるのは当たり前のこと。気がつけば、
「君は役職定年したので、今後は昇給も昇進もない」
「子会社でまったく違う仕事に就いてもらう」
と、夢も希望もないシビアな宣告を受けることになりかねません。会社は大量採用した世代の社員をリストラしたいと思っているので、こうしたことが起きるのです。
出世するか否かを分けるのは”社内印象”だった!
一方、着々とキャリアアップをして、給料も上がっている同期だっています。おそらく、10年前であれば、ここまで極端な差は出なかったかもしれません。シビアな宣告を受けた立場からすれば、躍進する同期に対して「おめでとう。よかったね」と心から祝福できないことでしょう。むしろ、
「お互いの能力に大差なんてないはずなのに、何で自分は損な役回りになってしまったのか?」
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