と、嘆いているのではないでしょうか。
そんな嘆きを生み出す原因は、社内の人事評価にあります。近年、人事評価による年収格差が、比較的若いうちから出てくるようになりました。取材した情報通信機器の商社では、35歳でなんと300万円以上の年収格差が出ていました。
同じ職場における年収格差はここ10年で広まってきたと感じます。しかも若いうちから差が開くことで、将来に対する絶望感を高めるビジネスパーソンが増えている気がしてなりません。それだけ、若いうちの人事評価がキャリア人生の大きなターニングポイントになるのです。
さて、会社で評価の高い人材は、本当に能力が高いのでしょうか?それよりも、社内における評判の高さや、人間関係の巧みさが高い評価の理由だと感じませんか?ちょうど、取材した商社に勤務する佐藤さん(仮名)が
「そうなのです。私は口下手なのでいつも損な役回りばかり。ところが、同僚の山口さん(仮名)は自分の活躍ぶりを巧みに上司や周囲に伝えて、高い評価を得ています。ずるいと思いますが、仕方ないのでしょうか?」
と自身の置かれた状況に対する不満をぶちまけてくれました。ただ、この不満は同情に値するものではありません。残念ながら、自分の仕事ぶりをアピールできないこと自体が、ビジネスパーソンとして問題と捉えるべき時代になったからです。
普通レベルの社員に、もうポストはない
これまでの会社は、言われたことならキチンこなせる「普通の社員」を重用していました。普通の社員でも十分の上のポスト、高い給料が提供できるくらい、会社の成長が担保されていたからです。
ところが、時代は変わり、普通に仕事ができるくらいの社員は、会社の都合で振り回されるようになりました。
業績が右肩上がりでない経営環境の会社には、潤沢な資金もポストもありません。会社の期待に応えることができる人材だけを、多少厚く処遇するので精一杯。つまり、普通の社員でいることは、自身のキャリア環境をデフレ化させるだけなのです。
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