ふるさと納税を100倍にした九州男児の手腕

焼き物の街を蘇らせた有田まちづくり公社

――外国人の受け入れで他に計画していることは?

有田町地域おこし協力隊の佐々木さんとは連携してイベントなどを企画運営している

宿ですね。有田は元々宿泊施設が少ないのですが、最近は少しずつ増えてきました。特に窯元の敷地を活用して、アトリエと宿が合体したアーティストインレジデンスができましたし、オランダ人の方が有田に惚れて移住し町屋をリノベーションしたゲストハウスを運営していたりします。有田には日本で唯一のやきものの大学(窯業大学校)があるのですが、そこには町外から95%、女性比率が70%で留学生も多く、世界中からものづくりが大好きな若者たちが集まっています。そんな若者たちと外国人、そして地域が繋がる場づくりをしたいと考えています。

また、有田には「体験」と「イベント」が数多くありますので、体験民泊やイベント民泊をWebで紹介し、よりディープな有田を味わって頂けるようにしていきたいと思います。

有田には自然も文化もあって暮しやすい

――最後に、今後の目標をおしえてください。

有田まちづくり公社のコンセプトは「有+(ありたす)」なんですが、有田の「田」という字は、枠をはずすと+プラスが生まれます。人種とか年齢とか性別とか地域とか、そういうこれまでの枠を一旦横に置いて、人々が集える空間ができたらいいなと思います。ものづくりが大好きな人たちが集まるかもしれないし、なんとなく有田に来る人だっている。色んな人たちが枠を超えて、集まり、また、そのプラスの連鎖が他の地域へも綿毛のように飛んでいくといいなと思ってます。そんなふうに、枠にとらわれずにプラスを見つけて、ないものねだりではなくあるものを利用して、最終的にまちが自立できたらいいなと思います。

有田ってすごく有名だけど、行ったことある人は結構少ないまちかもしれません。観光もすばらしいけれど、実は有田は自然も文化もあってとても暮らしやすい。そういう有田の良さを発信して、興味を持ってもらって、遊びに来てもらって、いろんな人たちの受け皿になれたらいいなと思っています。

取材後記

「この自転車、乗っていいよって町の人が譲ってくれたんです。」
取材の待ち合わせ場所であるトンバイ塀に自転車で現れた藤山さんは、笑ってそう話してくれました。400年の歴史ある有田焼。会社ならかなりの長寿企業ということになります。そんな町で地域経営にチャレンジするのだから、周囲との軋轢に悩みそうなところですが、藤山さんと有田町の住民とのコミュニケーションはとても円滑なようです。
佐賀観光活性化ファンドからの資金調達、多様な人材での組織づくり、初年度にふるさと納税で目に見える成果を出したこと。有田まちづくり公社の取組みは地域経営のお手本のようですが、藤山さんは後付の成功談に浸ることなく、あくまでさらりと話してくれました。一方で、「いかに有田がすばらしいか」のポイントになるととても情熱的。あふれるアイデアを次々と実行していくスピード感は、話を聴いている人をワクワクさせる力があります。有田町の若きエース 藤山さんと有田まちづくり公社の活躍に今後も注目です。

 

(執筆:鶴岡 優子)

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